前々回のレポートで、EV(電気自動車)としてのeゴルフの評価をお伝えしました。クルマとしての完成度は高く、私としてもとても気に入っています。

一方、ゴルフGTE、ゴルフGTIクラブスポーツと、いわゆる「ゴルフ7」を所有してきた者としては、「ゴルフ7.5」の進化も実感せずにはいられません。

たとえば、LEDヘッドライト。ゴルフ7でも、ゴルフGTEにはLEDヘッドライトが装着されており、その明るさにはとても重宝していました。

eゴルフ プレミアムでは、LEDヘッドライトに加えて、ステアリング操作にあわせてヘッドライトの照射エリアが変化するダイナミックコーナリングライトと、ハイビーム使用時の眩惑を防ぐダイナミックライトアシストが搭載されます。

なかでもダイナミックライトアシストは一定の条件を満たすと自動的にハイビームがオンになることに加えて、フロントカメラが対向車や先行車を捉えると、その部分だけヘッドライトの照射エリアをマスクしてくれます。おかげで、対向車や先行車の眩惑を防ぎながら、ハイビームの状態を維持できるので、照明の少ない一般道や山道、交通量の少ない高速道路などではとても運転しやすいのです。

最近は「マトリクスLEDヘッドライト」など、さらにきめ細かい制御ができるヘッドライトもありますが、ダイナミックライトアシストでも十分便利だと思います。

「渋滞時追従支援システム"Traffic Assist"」も、ゴルフ7.5から搭載される機能です。このTraffic Assistは、レーダーセンサーによって自動的に車間距離を維持する「アダプティブクルーズコントロール"ACC"」と、車線からはみだしそうになるとそれを防ぐようにシステムがステアリングを補正する「レーンキープアシストシステム"Lane Assist"」をさらに進化させたもの。

どちらも、ゴルフ7の時代から搭載されていた便利な機能ですが、Lane Assist単独では、65km/h以上で作動し、60km/hを下回ると機能が停止するという制約がありました。

それがTraffic Assistでは、ACCと一緒に使う場合にかぎり、60km/h以下でも車線(と車間距離)を維持できるようになったのです。

ドライバーはステアリングホイールから手を放すことはできませんが、渋滞時はとても重宝します。それ以上にうれしいのは、Lane Assitによるステアリング操作への介入が、とても自然なこと。ゴルフGTEからゴルフGTIクラブスポーツに乗り換えたとき、モデルイヤーが新しいゴルフGTIクラブスポーツのほうがより洗練されていると感じましたが、ゴルフ7.5になって、さらに動きが自然になったのです。

そうなると、次のゴルフ8はどんな仕上がりなのか、早く乗って試してみたいものです(笑)

(Text by Satoshi Ubukata)