日本上陸を首を長くして待っているゴルフ8。第8世代は素の「ゴルフGTI」か、それともやはり「ゴルフGTIクラブスポーツ」か、妄想を膨らませる日々が続いていました。

軽さを生かしてハンドリングマシーンに仕立てられたFFのゴルフGTIと、パワフルなエンジンと4MOTIONによりグランドツアラーを目指したゴルフR。私自身はその軽快な走りに価格の安さも手伝って、RよりGTIが好きでした。

しかし、その考えが大きく揺らぐ出来事が……。そう、新型「ゴルフR」の登場です。

その概要は上記のニュースをご覧いただくとして、やはり注目は新世代Rモデル用に開発された4MOTION(4WDシステム)。「Rパフォーマンス トルクベクタリング」が標準で搭載されることになったのです。

これは、新型ゴルフRだけでなく、ティグアンRやアルテオンRにも搭載される新機構。4MOTIONがエンジンのトルクをフロントとリヤアクスルに配分するだけでなく、リヤアクスルの2個の湿式多板クラッチが、リヤアクスルの左右のトルク配分を自在にコントロール、リヤの外輪により多くのトルクを配分することで、コーナリング性能を高めるというのです。

アウディでも、エンジンを縦置きにするS4より上のモデルに、「リヤスポーツディファレンシャル」という機構がありますが、それに似たシステムが横置きエンジンプラットフォームのMQBに持ち込まれることになったわけです。しかも、4WDのパイオニアであるアウディの新型S3には搭載されず、フォルクスワーゲンのRモデルだけが採用するというもの驚きです。

このRパフォーマンス トルクベクタリングの採用によって、ゴルフGTI、ゴルフGTIクラブスポーツ、ゴルフR、アウディS3スポーツバックのなかで、ゴルフRのハンドリング性能が抜きん出たものになるのは、想像に難くありません。

Golf GTIGTI ClubsportGolf RS3 Sportback
エンジン2.0 TSI
最高出力180kW (245PS)221kW (300PS)235kW (320PS)228kW (310PS)
最大トルク370 / 1600 - 4300400 / 2000 - 5200420 / 2100 - 5350400 / 2000 - 5450
駆動方式FF4WD

パワフルなエンジンもさることながら、ハンドリング性能の高さこそスポーツモデルの魅力と感じている私としては、日に日にゴルフRへの想いが募っています。

しかも、次期型でも遅れてバリアントが追加させる見込みで、ハッチバックか、バリアントか、妄想はさらに膨らむばかり。あ〜悩ましい(笑)

(Text by Satoshi Ubukata)