■Golf ■Handmade ■Pottery
「こんな色だったっけ?」
ある日、我が家のガレージにおさまるミズイロ号を見た友人のひとこと。
「そうだよ。フロリダブルー。フロリダの空の色なのか水の色なのか。もっと濃いのでモナコブルーってのもあるよ」と私。
それから数週間後、その友人がサプライズでプレゼントしてくれたのが今回紹介する陶器のゴルフ1。焼きものです。コワレモノ注意です。
初代ゴルフのスクエアな雰囲気をまといながら、なんとも可愛い佇まい。実車が装備しているアーチモールやサイドガーニッシュまで再現してくれたのは、鎌倉で珠玉の和懐石店を営む料理人のモトさん。
最近週末に窯場へ通い、お皿やお猪口などを自分でこさえてるのは知っていたのですが、まさかその卓越した料理の腕でミズイロ号を仕込んでくれていたとは。
しかも、陶芸の先生も一緒になって完璧な仕上がりを目指して試行錯誤してくださっていたとは、いやはや嬉しい限り。
由緒ある陶芸教室で異彩を放ったであろう「四角い造形」、そして焼き上がった時に意図した通りになる色つけと釉薬のバランス。
お皿みたいにちょっと歪んでもOK!とは言いにくい”自動車”という形状。1000度前後という超高温にさらされる中で形を保つための工夫が凝らされています。
窯の前で焼き上がりを待つ時のドキドキ感は想像に難くないです。
ボンネットにできた「ブク」と呼ばれる凸凹も焼き物ぽくて味わい深いのです。
で……色つけしたあとで実車に対面したときの発言が、冒頭の「こんな色だったっけ?」の発言だったのです。
この形で、この色ならもうミズイロ号です。愛情を持ってこねてくれたんだな、という可愛さがミズイロ号に「そっくり」。
地震が来ても落ちない所にディスプレイしました。
世界にひとつのミズイロ号、その手間と素晴らしい仕事に感謝。
das kleine Golfgang(ダス クライネゴルフガング)は、ゴルフのミニカー、"Golf玩具"にまつわるコラム。1974年に実車が誕生して以来、古今東西でつくられてきたゴルフのミニカーたちの小さなボディに垣間見えるストーリーを、小さく紹介しています。101回目以降、ゴルフ以外の水冷VWも紹介していきます。