2020年6月1日、フォルクスワーゲン本社に隣接する「アウトシュタット(Autostadt)」が、オープン20周年を迎えた。

ドイツ・ウォルフスブルクのアウトシュタットは、フォルクスワーゲン グループがつくったクルマのテーマパーク。2000年に開催されたハノーバー万博と同時にオープンし、これまでに延べ4200万人が訪れている。

もともと、新車をピックアップするための「カスタマーセンター」として計画されたものを、フォルクスワーゲンの哲学やクルマづくりの歴史、グループ傘下のブランドなどへの理解を深める施設にコンセプトを変更し、誕生したのがアウトシュタットである。

アウトシュタットの象徴といえるのが高さ48mのガラス張りのタワー。2本のタワーにはそれぞれ400台の新車が収められており、新車を購入した客は隣接するカスタマーセンターでクルマを引き取ることができる。

アウトシュタットでは、ナンバープレートを抱えた人をよく見かける。カスタマーセンターでは顧客が持ち込んだナンバープレートを新車に取り付け、車を引き渡す。遠くから訪れた人のために、敷地内には高級ホテル「リッツカールトン」が設けられているのも見逃せない。

新車の引き取りが目的という人はもちろん、それ以外の人でも楽しめるのがアウトシュタットの魅力だ。敷地内には、フォルクスワーゲンのみならず、さまざまなブランドの歴史的な車を集めたミュージアムをはじめ、フォルクスワーゲングループ各社のパビリオンやレストランがあり、老若男女を問わず楽しめる施設になっている。

20周年にあたる6月1日は、アウトシュタットの入場が無料になるほか、ドリンクやスイーツが無料でふるまわれる。また、6月16日からは季節限定のアトラクションなどが用意される。

オープンから20年が経過しても、その魅力が色あせないアウトシュタット。新型コロナの流行が終息し、自由に移動できるようになったあかつきには、ぜひ訪ねたい場所である。

(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Autostadt GmbH)