■Hazet Werkzeug ■Handmade ■1/3 ■3D print
今回はフォルクスワーゲンに所縁のある「工具」を取り上げます。
ドイツ語で「ヴェルクツォイク」。イチイチ響きがカッコいい。
昨年のヴァレンタインデー向けに洋菓子のモロゾフが企画した『TOOL KIT」。この缶を再現してくれただけでもうれしかったのですが、チョコを食べ終わったら中にミニチュア工具を収めたくなって、CADと3Dプリントでつくってみました。
空冷ビートルの鼻先、スペアタイヤの真ん中にぴったり収まるようにデザインされた当時のオプションアイテム。
いざ資料を集めようとググってみると、年式によってかなり収容工具にバリエーションがあることがわかりました。いろいろ見比べて、1957~60年頃に設定されていた13点入りの仕様で作ることにしたのですが、工具そのものも、同じ型番でも形状が違うなどこのツールセットだけでも一冊本が書けそうな沼の深さ。
それでもなんとか時代考証的に正しい資料を揃え、実物を持ってる方にもアドバイスいただき完成。
3DデータはFusion360というアプリでつくっていますが、モデリングにあたってはプライヤーの構造を理解するのが大変でした。見た目だけではなく可動にしたかったので。
あとは、ホイールレンチの把手部分の滑り止めのパターンも難しかったですが、3Dプリントしてみると素材のザラザラも手伝っていい感じに工具感が出ました。
2年ほど前から3Dプリントを工作に取り入れていますが、もとは平面のスケッチだったものがこんなふうに立体化できるのです。
ここは素直に技術の進化を喜びたいと思いますが、うっかりこの工具箱を収めるためのビートルをつくらないように気をつけます。
◆ das kleine Golfgang(ダス クライネゴルフガング)は、ゴルフのミニカー、"Golf玩具"にまつわるコラム。1974年に実車が誕生して以来、古今東西でつくられてきたゴルフのミニカーたちの小さなボディに垣間見えるストーリーを、小さく紹介しています。101回目以降、ゴルフ以外の水冷VWも紹介していきます。