■Crafter ■majorette(France)
いたしかた-な・い【致し方ない】《形》
(1)やむを得ない。
(2)どうにもならない。「セット販売しかないなら―・い」
ときどきあるケースです。欲しいミニカーを複数台セットの中に発見してしまう件。そして、多くの場合、セットに含まれる他のミニカーは収集対象外……。
今回は、オーストリアのスーパーでこの5台セットの中に、とても格好いいフォルクスワーゲンを発見してしまったのです。
質実剛健なイメージ(最近はよりスマートかもですが)のフォルクスワーゲンは「働くクルマ仕様」が似合います。日本ではフォルクスワーゲン乗りのあいだでも大変マイナーな「クラフター」という車種ではありますが、ドイツ警察(ポリツァイ)のペイントがとてもマッチしていて、単品では見つからなかったので致し方なくセットに手を伸ばしてしまいました。
もともとはグリーンが制式カラーだったドイツ警察の車両ですが、EU全体で統一する方向でブルー基調に移行しています。この黄色いマーキングが施されたのは最新のカラーリングとのことです。
ミニカーは、フランス・マジョレット社のブランドがついているのですが、外箱に「NURBEI M」とあることから、ドイツのスーパー「Müller」で企画された限定品みたいですね。
さらには、シャシーにある住所が刻印されていて、Google Mapに打ち込んでみたら、ドイツのおもちゃブランド「Dickie Toys」がある場所でした。
でも製造はTHAILAND。もう、どこ製のミニカー、というのも難しい時代ですね。
このクラフター、下に押しつけるとサイレンが鳴って点滅するギミックが仕込まれています。「試してみてね」ってことでパッケージに穴が開けられていて、他のオモチャと迷ってる子どもの背中をひと押しするわけです。
この一台が欲しいがために丸ごと買う、というのは若干不純な“大人買い”の一種ではありますが、「ゲレンデ」のパトカーもユーロコプターのヘリもこれはこれで格好よい。
“映え”たいがために丸ごと買って、残りの4台は捨てる、ということでは決してありませんので、念のため。
◆ das kleine Golfgang(ダス クライネゴルフガング)は、ゴルフのミニカー、"Golf玩具"にまつわるコラム。1974年に実車が誕生して以来、古今東西で作られてきたゴルフのミニカーたちの小さなボディに垣間見えるストーリーを、小さく紹介しています。101回目以降、ゴルフ以外の水冷VWも紹介していきます。