ポロGTIのさくらちゃん。初のグラベル戦ということで、しっかり事前準備したかったのですが、これまた初のグラベル戦ということで、マシンの改良があれこれございまして、結局ぶっつけ本番になってしまいました。

そんなドタバタ模様をレポートさせていただきますね~。ご笑納いただければ幸いです。

2019年6月6日(木)出張先からモントレーへ!

実は5月28日にテストを予定していたんです。さくらちゃん初のグラベル戦ということで、特に電子デバイスがどんな感じで働くのか不安だったので、どうしても事前にテストしたかったのですが……。もろもろパーツが間に合わず、結局ぶっつけ本番となってしまいました。

しかも、新城の際は、東京から新城まで一般道を自走することで少しは感触を掴めた(!?)ような気もしなくもなかったのですが、今回は出張先からモントレー入りというスケジュールでして、さらにレッキはレンタカー……。となると、さくらちゃんに乗れるのは本当に本当に本番のみということになってしまい、正直かなり不安でしたし、初のグラベル戦ということで、とにかく今回は完走! 絶対完走を目指そうと割り切って臨みました。

2019年6月7日(金)レッキ 曇りのち雨

レッキスタート朝5時30分って、おいおい(笑)

まぁ毎度のことではありますが、ラリーって朝が早いんですよねぇ。前日のレッキ受付でレンタカーの割り当てに時間が掛かったこともあり、コ・ドライバーの佐竹尚子さん、カメラマンの原田淳さん、ホテルに戻れたのが21時30分ということで、皆さん超寝不足(笑)

もちろん、チーフメカニックの神田 誠さんや、チームマネージャーの宮村朋子さんも寝不足(涙)なのはいうまでもありません。私もホテルに入れたのが23時過ぎでした(汗)。

そんなこんなで眠い目をこすりながらのレッキスタートとなったわけですが、「こりゃクルマ壊れちゃうぞぉ~!」というくらいのガレ場続きのSSコース。眠気なんて一挙に吹っ飛びました。もちろんレッキなので、ペースを抑えてゆっくり走ってるんですよ。にもかかわらず、パンクするクルマ続出!

かくいうウチのチームも、しっかりパンクしちゃいました~。スポーツランド信州の下りの右コーナーで、ハンドルもブレーキもなにもかもまったく効かなくなり、左側の山に少し乗り上げたのが原因か、今年初めて入った超ガレガレの松代SSが原因かわかりませんが、結果スローパンクチャー。道の駅でお手洗いに寄り、戻ってきたら空気がシュルシュル~と抜けていきました。

砂利の上でのタイヤ交換にならなかったのが幸いでしたが、ちょうど雨が本降り、いや土砂降りになってきちゃったんです。にも関わらず、まったく上がらない車載パンタグラフジャッキ。最近はタイヤ交換することが減っているとのことで、車載ジャッキは相当なコストダウンが図られているそうで、まぁどうしようもなく上がらない。

佐竹さんが機転を利かして、レンチをそのままジャッキの穴に突っ込んで、なんとか上がり始めました。二人で交代しながら、フーフーいいながらのタイヤ交換となりました。

途中そんな状況を見かねたのか、通りがかりの方が「よかったら使ってください。差し上げます!」と傘を置いていってくれたり、「どうしたの?大丈夫?」と声を掛けてくれたり(ちょうどタイヤ交換が終わり、ジャッキを降ろす段階でした……惜しい!)。人の優しさ、温かさが心に染みました。なんたって、下着までびしょ濡れの土砂降りの中のタイヤ交換でしたらかね……。

這う這うの体でサービスパークに戻ってきた後、今回からメカニックとして参加してくださることになった、鈴木孝敏メカニックさんにご挨拶……って、「あれっ、この顔知ってるぞ?」と、遠い記憶を手繰り寄せると、やっぱり、サーキットでお見かけしていた鈴木さん。そんなわけで、懐かしいレースのお話で盛り上がる夕食の会となりました~。

2019年6月8日(土)DAY1 雨

今回のアイテナリーも、最初はいきなりのSSS。広場でのジムカーナコースですが、今回はレイアウトが比較的単純だったので、私でも覚えられました(笑)。ABSとのマッチングにまだ慣れることができす、ブレーキングはやや失敗気味ながら、そこそこのタイムでちょっと安心。

ちなみに今回からは、グラベルセッティングになったショックアブソーバーに、ADVANA053タイヤという組み合わせですが、昨日のレッキであまりのガレ場にビビッた私は、神田さんにお願いしフロントタイヤ2本だけチューブを入れてもらうことにしました。バネ下重量云々より、「パンクがイヤ~」というのが本音だったりして。練習はしたものの、やはり交換には時間が掛かりますからね。

そしてお次はいよいよグラベルのSS。なるほどこんな感じで電子デバイスが介入するのか、「XDS」と呼ばれる言われる電子制御のLSDはこんな感じで効くのか、ESCが入ってくるのか……等々のフィーリングを確かめつつといったところで、かなり抑えてSS2はフィニッシュ。

そしてそして、次のSSに向かう途中のリエゾンで事件は起こったのです。「尚子さん、もしかするとパンクしてるかも?」と私。マシンを降りてみてみると、右リヤタイヤがパンクしてました。ということで、今回2回目のタイヤ交換。今度はしっかりした工具が積んでありますので、問題なくジャッキアップは完了したのですが、外したタイヤをみたところ「なにコレ? 何か刺さってるよ~」と佐竹さん。実はコレ、後でサービスに戻って神田さんが引き抜いたところ、工事現場で使う長くて太い鉄杭だったんです! こんなの刺さってるのみたことないっていうくらいの、ホイールまで届きそうなほどの鉄杭でした。

「リエゾンの途中に工事現場があったじゃん。きっとあそこだよ」ってことは、SS内でパンクしたわけじゃないんだと、ドライバーとしては密かに胸を撫でおろしたりして(笑) まぁ、パンクはパンクなんですけどね。

いやはや今回のSSのコースは本当にタフでした。ちなみにいちばんハードな松代SSは、岩が突然転がってきてコースをふさぎ、そこに乗り上げてしまったマシンが続出したりということで、途中でキャンセルに。バックしてスタート地点に戻ることになったのですが、ゆっくり走ってもパンクするマシンが出るほどのコースだったんですよね。

そして今回大変だったのが、コ・ドライバーの佐竹さん。目まぐるしく状況が変わるので通常のコマ図が使えず、地図と地図アプリを抱えて道を探す等々、本当に大変だったんです。「昔はバイクで道を探しながらツーリングしてたから~」という佐竹さん。相棒が地図が読めるオンナで本当によかったです。

ちなみに私は、自動車業界でも五本の指に入る方向音痴です。