■Golf ■Rico(Spain?) ■148mm ■Friction ■2doors

お菓子のオマケからスーパーディテールモノまで。ゴルフのモデルカーはその再現度合いの幅広さも魅力です。この”玩具”感あふれるゴルフ、バンパーレス、オーバーフェンダーのレース仕様で、ライト類のディテールなどはあっさりシールで表現されています。

いわゆる“ハズミ車”内蔵で押せば慣性で走るわけですが、その機構は前輪に仕込まれており、FFのゴルフとしては侮れない再現性なのです(意識してなかったと思いますけど)。

シャシーにはいっさいの刻印がなく、メーカー、産国ともに不詳。ステッカーのRICOという文字からスペインの玩具メーカー製ではないかと推測するも、白いボディに踊るロゴをつぶさに観察すると、vsdというフランスの雑誌をはじめ、ファッションのNEWMAN、ガソリンのelfと多勢を占めるフランス企業……実はフランス製?

このような実車が存在したのか、勝手にカッコいいロゴを貼り付けたのか定かではありませんが、ここに三洋電機のロゴが混じっているのはなんだか胸熱ですね。

ライト類は先述のとおりシールなのですが、なぜだかリヤハッチの部分にVOLKSWAGENとモールド処理されています。どうして実車にもないものが刻まれているのか、作った人に聞いてみたいものです。

当時は、子ども向けのオモチャとして店頭に並んでいたであろうゴルフにも、いろんなドラマが透けて見えます。そういう視点では、こんな“玩具”っぽいもののほうが質感やら権利関係の無視っぷりがにじみ出ていて観察しがいがあるというものです。

イマドキ、例えばゴルフ7ではこういう味わいのミニカーは出てこないんだろうなぁ。

◆ das kleine Golfgang(ダス クライネゴルフガング)は、ゴルフのミニカー、"Golf玩具"にまつわるコラム。1974年に実車が誕生して以来、古今東西で作られてきたゴルフのミニカーたちの小さなボディに垣間見えるストーリーを、小さく紹介しています。101回目以降、ゴルフ以外の水冷VWも紹介していきます。