乗り換えると10〜25万円の補助金が出るし、税金も安いとなると、不況で世知辛い世の中は、当然そっちのほうに動きますよね。
こども店長とかカンガルー親子がTVでいろいろ教えてくれますけど、輸入車にはあんまり縁がないよなぁと聞き流してました。でも、フォルクスワーゲンやアウディ、メルセデス・ベンツ、スマート、BMW、ミニ、ポルシェ!など、ドイツ勢には補助金がもらえるクルマが結構あるんですねぇ。
ただし、VWやアウディでエコカー補助をもらうには、新車登録から13年以上経過した古いクルマを廃車にする必要があります(アウディ エコ ラインアップ キャンペーンにはこの条件はありません)。この場合の補助金は25万円。日本のエコカー(一部を除く)なら、古いクルマを廃車にしなくても10万円の補助が受けらるのですが、ドイツ勢はダメなんです。
それはなぜかというと、ドイツ勢と日本勢とではクリアしている基準が違うからです。ドイツ勢がクリアしているのは「2010年燃費基準」。一方の日本勢の多くは、燃費が基準を15%以上も上回るうえに、排ガス性能が4つ星(☆☆☆☆)だったりします。その差が補助金に出るんですね。
13年以上の廃車があるときには2010年燃費基準を満たすだけで25万円の補助が受けられますが、下取り車がそんなに古くないとき、あるいは下取り車がない場合は、排ガス性能が4つ星で、2010年燃費基準を15%以上上回る新車を買わないと、10万円は出ないのです。
4つ星を獲得しないと、重量税や取得税の減税対象にもなりません。VWやアウディの実力からすれば、4つ星の獲得は不可能ではないはずですが、これまでそういった手続きを取らなかったのが裏目に出てしまいました。VWによれば、現在、どう対応するか検討中ということですが、いまから4つ星の獲得に向けて動いたところで、今回のエコカー購入補助に間に合うかどうかは微妙なところですね。
調べてみると、10・15モード燃費は6.7km/L。これでも、2010年燃費基準達成率は+5%なんですね。
実はこの燃費基準ってヤツ、車両重量が重くなるほどユルいんです。参考までに数字を出してみると、
車両重量シャリョウジュウリョウ(kg) | 703 | 828 | 1016 | 1266 | 1516 | 1766 | 2016 | 2266〜 | |
〜702 | 〜827 | 〜1015 | 〜1265 | 〜1515 | 〜1765 | 〜2015 | 〜2265 | ||
10・15モード燃費ネンピ (km/L) | 21.2 | 18.8 | 17.9 | 16.0 | 13.0 | 10.5 | 8.9 | 7.8 | 6.4 |
トゥアレグV8の車両重量は2330kgだから、燃費基準値は6.4km/L。確かに基準はクリアしています。「重量のわりには燃費がいいクルマ」ということなんでしょう。でもこれで"エコカー"っていわせてしまうのは、僕には違和感があるなぁ。小さくて、絶対的に低燃費のクルマのほうが、断然エコカーだと思いますけど......。
また、こんな例も。Audi A4 Avant 3.2 FSI quattroの場合、車両重量が1760kgで燃費は9.3km/Lなので、基準を満たしません。でも、サンルーフを付けると20kg重くなるので基準をクリアするんです。だから、古いクルマを持っていて、Audi A4 Avant 3.2に買い換えるという人は、絶対にサンルーフをオーダーしましょう(笑)
燃費基準やこの制度に疑問はありますが、"本当に"燃費がいいクルマに乗り換えようという人には絶好の機会でしょう。とくにアウディの場合、くだんのキャンペーンは6月末日までなので、運良く条件を満たしている人は、今週末にディーラーに駆け込む価値はありますよ!
追記
アウディの「アウディ エコ ラインアップ キャンペーン」は9月末日まで延長が決まりました。(2009.7.1)