2011年2月、サルサレッドのゴルフヴァリアントが僕のもとを去っていきました。2年3カ月のおつきあいでした。



最近購入した「アウディA1」の下取りで"ドナドナ"していった僕の「ゴルフヴァリアントTSIトレンドライン」(以下GV)。パドルシフトは付けるは、グリルを換えるは、GTI用のパネルにするはと、手塩にかけてきたうえに、その走りに満足していたということもあり、手放したあとの寂しさはひとしおです。

ファミリーカーとしても、仕事の足としても、ホントいいクルマでした。

フォルクスワーゲンのクルマといえば、実用性の高いエンジンや高速安定性に優れる足まわりなどに定評がありますが、その主力モデルであるゴルフは、5代目に生まれ変わってリアにマルチリンクサスペンションが与えられ、それまで以上に快適な乗り心地と軽快なハンドリングを手に入れました。さらに、モデルライフの後半には、「TSI」と呼ばれる過給器付きの直噴ガソリンエンジンとデュアルクラッチギアボックスの「DSG」によって、スポーティな走りと低燃費を両立させることに成功。以前なら、「いいクルマだけど、街中の燃費がねぇ」となかば諦めていた不満な部分が、いまやフォルクスワーゲンのウリになるとは思いも寄りませんでした。

このサイズのクルマに積まれるのが1.4Lというのも衝撃的で、知らない人に話すと皆が驚きます。オーナーとしては、鼻高々というところでしょうか(笑)

GVを手放すまでに走った距離は約2万7000kmです。このうちの約2万4000kmで燃費記録が残っています。平均燃費は12.3km/L。都内を走ることの多いクルマとしては立派な数字です。高速中心なら15km/L以上はザラでしたし、街中でもよほど条件が悪くないかぎりは9km/Lを下回ることはありませんでした。

ゴルフ4までは、走行距離にあわせてオイルを補充する必要がありましたが、ゴルフ5以降はオイル消費が少なくなりました。このGVも途中で300ccほど追加しただけ。オイル交換なしで3万km近くを走りとおしました。

「ガイシャはトラブルが多い」とはよくいわれますが、僕のGVでは、DSGのクラッチが摩耗して、動作に問題が生じたことがありました。DSGは7速の出始めということで、煮詰めが足りなかったのかもしれませんが、保証修理後は前より調子が良くなりましたし、最新のDSGではそのへんの対策がきっちりなされているんでしょうね。これを除けば、とくに気になるところはありませんでした。

それはさておき、どんな状況でも、快適で安心感を与えてくれた僕のGV。それでいて、運転がつまらないと思ったことはなく、走りの質という点でも、いまだに日本車とは一線を画しています。日本車に比べたら高い買い物ですが、カタログの数字には現れない満足感がGVにはありました。

派手じゃないけど、とてもいいヤツでした。いままで所有したVWのなかでは、一番のお気に入りです。いまはどうしているんだろう? VW好きの手に渡るといいけど......。 これからも、日本のどこかで元気に駆けまわってくれたらいいなぁ。

Good bye,my GV!