昨日、さまざまなメディアが採り上げていたのが新型日産セレナに搭載予定の自動運転技術「プロパイロット」。「渋滞時のハンドル、アクセル、ブレーキすべての自動化は、日本の自動車メーカー初の技術です」と謳っています。
新型セレナに搭載される「プロパイロット」は、高速道路の単一車線上で、設定した車速で巡航するクルーズコントロールに、先行車との車間距離を維持する機能、車線の中央を走るようステアリング操作をアシストする機能を加えてものです。

先行車両が停止したときにはそれにあわせて自車も停止し、先行車が再び動き出したときには、短時間なら自動で、ある程度時間が経ったときにはスイッチ操作などで自車も発進します。

これまでも同様のシステムがありましたが、前述のとおり、「渋滞時のハンドル、アクセル、ブレーキすべての自動化は、日本の自動車メーカー初の技術です」というのが新しいところです。

そして日産は同じプロパイロットという名前で、2018年には高速での複数車線に、さらに2020年には市街地の交差点に対応するとしています。

これを、昨今の"自動運転ブーム"も手伝って、TVをはじめさまざまなメディアがとりあげたわけですが......。セレナのプロパイロットはあくまで自動運転化に向けたひとつの技術であって自動運転ではありません。

さらに、"日本の自動車メーカー初"というとおり、実は輸入車にはこの手の技術がすでに搭載されています。フォルクスワーゲンなら、2015年7月に発売されたパサート/パサートヴァリアントに全車標準装着されています。


フォルクスワーゲンでは、「渋滞時追従支援システム"Traffic Assist"」と呼ばれるこの機能、アダプティブクルーズコントロールとレーンキープアシストにより、高速走行時に加えて渋滞時にも車間距離の調節やステアリング操作のアシストを行ってくれます。

これに関しては
実際に乗り比べてみないとその優劣はわかりませんが、自動運転という言葉に踊らされている日本のTVメディアなどを残念に思うのは私だけではないでしょう。日産がそれを見越して今回の発表を行ったとしたら、それはそれで"やるなぁ"と思いますけど(笑)

ちなみに、アウディでも、新型Audi A4やQ7には"トラフィックジャムアシスト"として同様の機能がすでに実用化されています。

フォルクスワーゲンもアウディも"やっちゃえ"の前にやっていたわけです。

(Text by S.Ubukata)