■Passat

■CKO(West Germany)

■Friction Powered

■120mm


Blechauto(ブレヒアウト)、ブリキの自動車、です。車種は初代パサート。ブリキの自動車というと、全体的に角が丸く、玩具っぽい佇まいが想像されますが、ご覧のように、一見ダイキャスト製かな、と思えるくらい、ピシッとプレスされています。


メーカーはCKO。シャシーの刻印にWestern Germanyとあるように、冷戦時代の西ドイツ製で、何年も前にフランクフルトで捕獲したものです。現代のドイツ車も鉄板のプレス技術で最先端を行っていますが、約40年前のミニカー製造におけるこの"折り目正しさ"は、ドイツの職人的なモノづくり魂を感じます。
ご覧のようにリヤゲートを開閉することができ、荷室部分の床下にはハズミ車が隠れております。このメーカーでは、空冷ビートルやマイクロバスも製品化していました。ゴルフもつくってほしかったけれど、ブリキ玩具の終焉と、水冷フォルクスワーゲンの出現は、ほんのわずかな期間の重なりだったので、パサートがあるだけでも御の字、なのでしょう。

こんな「時代を感じさせる佇まい」も、当時は最先端のオモチャだったはず。果たして、21世紀につくられている超精密なミニカーたちは、数十年後に目にしたとき、これほどの感慨を生むのでしょうか。


◆ das kleine Golfgang(ダス クライネゴルフガング)は、ゴルフのミニカー、"Golf玩具"にまつわるコラム。1974年に実車が誕生して以来、古今東西で作られてきたゴルフのミニカーたちの小さなボディに垣間見えるストーリーを、小さく紹介してゆきます。101回目以降、ゴルフ以外の水冷VWも紹介していきます。