■ Polo

■ ASAHI(Japan)

■ 200mm

■Tin Toy


電動ミステリー走行、というそうですね。シャシーにクルクル回る台座が ついていて、ぶつかると向きを変えながら走るあの懐かしいオモチャ。

そして、モデルになっているのは初代ポロ。しかもブリキ製です。よくこんなマイナーなモデルを日本のメーカーが製品化したものです。

BOSCH、Shell、CIBIEと実在のサプライヤー名が印刷されていますが、実車が存在した感じではありません。それでいてナンバープレートはWOB(ウォルフスブルク)で始まっているなかなかのこだわりよう。

ブリキのおもちゃの全盛期と、水冷エンジンのフォルクスワーゲンは重なる時期が微妙で、空冷ビートルなどに比べるとあまり種類がありません。そんな中でも売れ筋のゴルフでなく、ポロというのが渋い選択です。


初代ポロの登場は1975年ですから、このオモチャもその頃のものなのでしょう。褪色しやすい黄色ですが、比較的きれいな状態を保っています。

ブリキのクルマというと、造形がゆるいものも多いですが、このポロはサイドビューをご覧いただいてもわかるとおり、とても美しく成形されています。車種といい、素材といい、青い窓といい......味わい深い一台であります。

でも当時、この渋いオモチャのポロを欲しがった子どもが、果たしてどれほどいたのでしょう。


◆ das kleine Golfgang(ダス クライネゴルフガング)は、ゴルフのミニカー、"Golf玩具"にまつわるコラム。1974年に実車が誕生して以来、古今東西で作られてきたゴルフのミニカーたちの小さなボディに垣間見えるストーリーを、小さく紹介しています。101回目以降、ゴルフ以外の水冷VWも紹介していきます。