■ Tarek

■ 1/10

■ Radio Controlled

■ Body:Handmade Chassis:Tamiya

I 'm really mad about this vehicle!!でした。

わたしはこのクルマに文字通り一目惚れ、あまりに好きすぎてどうしても荒野を走らせたい衝動に駆られ、ラジコンのボディを自作するにいたりました。

そして、出来上がったモデルを持ってドイツまでレーサー本人に手渡しにまで行ったという......忘れもしない2003年の出来事。

突然パリダカラリーに現れたTarek(ターレック)。この流麗なボディはかのジウジアーロ・デザインで、流れるようなラインが他の無骨なラリーマシン達の中でひときわ格好良く見えました。


実車は「シャシーにボディを被せる」かたちで、この構造は一般的な電動ラジコンカーそのものだということで、ボディ制作を決意。型を作って真空成型という方法で出来る、と安易に思ったのですが、このボデイをつくるポリカーボネートは、とても素人には扱いが難しく、温めたくらいじゃ柔らかくなってもくれません。

全長40cmを超える大きさも家庭用の吸引装置にはおさまらず、アレコレあたって町工場の集まる向島の工房に頼み込んで成型してもらいました。型は、左右対称にするためスライスした部材を貼り合わせて製作しています。今だったら3Dプリンタでできそうですが。


型があるということは量産できる、ということで、友人とTarek数台でラリー大会も開催。そのうちの一台を、パリダカで実際にこのクルマをドライブしていたユッタ・クラインシュミット選手にプレゼントしました。ユッタは、三菱から参戦して優勝経験もありますね。


「こんな模型作ったんですけど、要りますか?」と連絡したら「ぜひ」といううれしいお返事。ちょうどその年の秋にフランクフルトモーターショーがあり、そこにいらっしゃるというので、ラジコン2台抱えて急遽渡独、1台はプレゼント、もう1台にはサインを入れていただきました。

こんなに惚れ込んだTarekですが、実はまだ実車を目にしたことがありません。


今ではVolkswagen Classicが保管しているようなので、いつかお目にかかりたいものです。まさにわたしを「衝き動かした」一台。

203 回目にちなんだ、203号車の紹介でした。


◆ das kleine Golfgang(ダス クライネゴルフガング)は、ゴルフのミニカー、"Golf玩具"にまつわるコラム。1974年に実車が誕生して以来、古今東西で作られてきたゴルフのミニカーたちの小さなボディに垣間見えるストーリーを、小さく紹介しています。101回目以降、ゴルフ以外の水冷VWも紹介していきます。