ゴルフのアイデンティティというべき太いCピラーが特徴のハッチバックスタイルを受け継ぎながら、フルモデルチェンジにふさわしく、ルーフパネル以外の外板を一新したゴルフ6。フロントマスクも、先代の優しいイメージから、シャープで精悍な印象に変わっている。その一方で、先代で大きく進化したサスペンションやエンジンなどはほぼ踏襲。技術的なハイライトは少ないものの、そのぶん熟成と洗練が大いに期待できる。そんなゴルフ6を箱根で試乗した。
ゴルフ6の進化を実感するのはその静粛性。遮音性を高めるさまざまな工夫のおかげで、耳に届くエンジンノイズやロードノイズは明らかに小さい。122psのシングルチャージャーTSIと7速DSGの組み合わせは、先代ゴルフTSIトレンドラインと同じ内容で、低回転から活発に加速するだけのトルクを誇り、回転を上げれば高速の合流や追い越しなどでも余裕を見せる実力。新型ゴルフでは、エンジン、DSGともさらにスムーズさを増し、クルマ全体の高級感アップに一役買っている。
とはいうものの、コンパクトカーとしての魅力は以前にも増してアップし、現時点で、最強の選択肢といっても過言ではないだろう。
ゴルフ6、期待どおりの仕上がりである。
(Text & Photo by S.Ubukata)