2010年最初に発売開始予定とされるのが、昨年5月に発表され、話題を呼んだシロッコRだ。一昨年、昨年と続けてニュルブルクリンク24時間に参戦、いずれもクラス優勝を果たしたシロッコGT24のストリートバージョンともいえるこのモデルは、2リッターの直4ターボ(ゴルフGTIピレリ、アウディS3にも採用されたEA113系)、最高出力265ps、最大トルク35.7㎏-mというエンジンを搭載、0~100㎞/h6.5秒、最高速250㎞/h(リミッター作動)という性能を誇る。
発売時期はもうひとつ明らかになっていないものの、今年確実に導入されるだろうモデルは、今後、フォルクスワーゲンの主力エンジンになるとされる1.2TSIを搭載するゴルフ・トレンドラインとポロ・ハイラインだ。
ご存知のように、ベーシックなゴルフは、いつの時代も安全かつ経済的な輸入車を求める合理主義者に強い支持を得てきた。ゴルフ6になってトレンドラインがラインナップから消えていただけに、その復活を待ち望んでいる人は多いはず。また、ポロ1.2TSIに関しては、すでに海外試乗リポートでそのきわめて高い実力が伝えられているだけに、関心を寄せている人が少なくない。いまかいまかと、発表を待ちわびている人が多いと聞く。
こうしてフォルクスワーゲンの今年の導入予定モデルを並べていくと、気がつくのは、いずれもが、それぞれのカテゴリーの、いわば究極を求める人たちにとっては、待ちに待った"本命"というポジションにあるようなクルマばかりということ。それはシッカリとマーケットニーズをつかんだクルマばかりともいえて、今年もフォルクスワーゲンは輸入車市場ナンバーワンの地位キープが確実といえそうだ。
(Text by M.OGURA)