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さて、フォルクスワーゲンといえば、釈迦に説法ではありますが、その名のとおり「国民車」。ドイツ国民のクルマだったのが、世界中の国民のクルマとして、見ない地域のほうが珍しいブランドです。


フォルクスワーゲンで最も有名なクルマが「ビートル」(新型は初代を彷彿とさせ、いいですね)。その後継モデルの「ゴルフ」といえば、トヨタ・カローラと並んで、世界で最も売れたクルマです。

アメリカ(かつてあの国での車名は「ゴルフ」ではなく「ラビット」でしたが)をはじめ北米でも、当然ながら欧州でも、その他の大陸でも人気のクルマ。プレミアムブランドを別にすると、欧米両方で人気を博すって、ありそうでいて、そんなにあるわけではないんです。

ゴルフ以外では、フォードとか、アメリカではサターンとかに姿を変えるオペルくらいでしょうか。フィアットや、プジョー、ルノーなどのイタ/フラの売れ筋グルマはアメリカでは売ってませんし、販売上のライバルであるカローラはゴルフの本家、欧州ではそれほど存在感があるわけではありません(特殊市場、日本におけるフォルクスワーゲンよりは強いですが)。


また、フォルクスワーゲンは強大なグループを形成しており、トヨタやGMと、世界販売台数でしのぎを削っています。ラインナップは幅広く、エアコンもついていないようなシュコダやセアトのベーシックカーから、ブガッティ・ヴェイロンまでもっているわけですから、ほとんどすべてをカバーしていることになります。

あと、新しい技術が好きですよね。エンジンでは狭角V型エンジンとその発展形であるW型エンジンなんてのもありますし、最近ではTSIエンジンを幅広く採用してダウンサイジングコンセプトの先駆けとなりました。いまや多くのメーカーが、排気量が小さめの直噴エンジンに過給器をつけて高い効率を目指しています。

もちろん、TSIと同時期に実用化したデュアルクラッチ・トランスミッションの「DSG」を広く展開し、これも多くのフォロワーを生んでいます。

アウディと一緒になってテクノロジーで課題をクリアする姿勢は、ポルシェ、アウディときてフォルクスワーゲンの会長を長らく務め、今も影響力のあるフェルディナント・ピエヒさんの姿勢そのもので、僕はその鬼気迫る技術力に感嘆すると同時にちょっと怖い印象すら抱くのですが、皆さんはいかがでしょう?


ま、こんな感じで、次回より、フォルクスワーゲンについて、ドイツ車について、クルマについて、書いていくつもりですので、おつきあいください。





(Text by S.Shiomi)