少し前のことですが......ポロで走り始めてそろそろ一年になろうとする昨年の11月、サスペンションの交換に踏み切りました。



ポロGTIは、2012年モデルになって、それまでよりもずいぶんとまろやかで乗りやすくなっています。しかし、ホイールを超軽量の「レイズC345プライム」に変更したことで乗り心地のバランスが少し変化し、また、タイヤとホールアーチの隙間(前:指2本分、後:指4本分)がかなり気になりはじめていました。

そんなとき、興味深いサスペンションに出会い、思い切って車高調に交換することに。

今回装着したのは、「BLITZ DAMPER ZZ-R(ダンパー ダブルゼットアール)」。レイズに続き、国内メーカーのパーツです。

いつものようにmaniacs STADIUM(マニアックススタジアム)に取り付け作業をお任せします。メカニックの大森さん"こだわりのセッティング"で躾けられた足まわりをさっそく試してみると、おろしたてとは思えないあたりの良さで、いい意味で裏切られました。車高調ならではの硬さはありますが、最初の感触としてはかなりの好印象です。
さまざまなシチュエーションで1000kmほど走った現在では、ダンパーもスプリングもすっかり馴染み、レイズC345との組み合わせが生む乗り心地もノーマルサスペンションと同等以上になり、しかも、車高のバランスも望みどおり。これならいうことなし! この乗り心地なら同乗者から苦情が出ることはまずないでしょう。コーナリングにも不安な要素はまったくなく、GTIらしさをより明確にしたセッティングになっていると思います。
「乗り心地と走りを高次元でバランスさせた......」というフレーズをよく耳にしますが、実際にはなかなかそう思えるものに出会うのが難しいのが現実です。そんな中、このBLITZ DAMPER ZZ-Rは期待以上のパフォーマンスを見せてくれました。
それから、ポロ用の発売を待ちこがれていた「CPM」をついに装着しました。他の車種での評価が十分に高いので期待していたのですが、案の定、素晴らしい効果を発揮してくれました。

「この板一枚で本当に何か変わるの?」とよく聞かれますが、その効果はてきめんです! クルマに対して特別にこだわりのない方でも、その違いは感じ取ってもらえるでしょう。
走り始めてすぐに、その違いを実感。ちょっとした段差を乗り越えたとき、ボディに伝わる「ぶるっ」という振動が消えています。ボディの剛性感も増し、まさにひとクラス上のクルマに乗っているかと錯覚しそうになるくらいに、上質さを感じます。

高速道路を走ってみると、直進安定性が増しているのがわかります。ステアリングが重くなる......というより"すわり"が良くなったといった印象です。路面のアンジュレーションによる影響を受けにくくなっているからでしょうか?

一般道や山道では、乗り心地に若干の硬さを感じますが、決して不快なものでありません。この「硬さ」は、それまでボディの捻れで逃げていたものがなくなったために伝わるもので、とくにリアの捻れが抑えられた印象です。山道では、タイヤの接地感がダイレクトに伝わるようになったせいか、より一層姿勢変化がつかみやすくなり、安心感が増したコーナリングが楽しめます。たった1枚の板ですが、思っていた以上にわかりやすい効果を感じ取ることができました。

興味ある方は、ぜひ一度体験することをおすすめします。


ところで、WRC参戦2戦目で優勝という快挙を果たした「ポロ R WRC」。開幕戦までの周到な準備を思えば、それなりに期待はしていましたが、まさかここまでの完成度を誇っていたとは! まさに予想外でした!

WRCでの活躍にも期待を込めてポロGTIを選んだ身としては、本当にうれしいかぎりです。今後の活躍にも大いに期待しています!

頑張れオジェ&ラトバラ! 頑張れポロ R WRC!

(Text by T.Nishijima)