クルマもドライバーもたっぷり充電した翌朝、お目当ての「払沢の滝」を目指して、Golf blue-e-motionが発進しました。



スタッフのおかげで、バッテリーの充電量が83%まで回復したGolf blue-e-motion。どうせなら100%まで充電してほしかった......と思ったものの、実際にハンドルを握ると「75%くらいでもよかったかなぁ?」と思わせる出来事が! 宿から払沢の滝に向かうルートの前半は下り勾配が多く、例によって回生ブレーキを駆使してラクをしようと思っていたら、回生ブレーキがあまり効かないんです。

それは少し考えればわかること。回生ブレーキはモーターの発電によってクルマのスピードを落とすわけですが、バッテリーが"お腹いっぱい"の状態では発電した電気を貯める余裕がなく、回生ブレーキが仕事をサボってしまうのです。

バッテリーの充電量が80%を切ったあたりから徐々に回生ブレーキが効くようになりましたから、もしも山の上で充電する場合などは、あえて満充電しないことをオススメします!
 

ところで、Golf blue-e-motionで滝を訪ねるにあたり、力強い助っ人の登場です。「水」をテーマに、全国の滝や渓流、海などの撮影を手がけるネイチャーカメラマン、北中康文さんです。
 

水のダイナミックな動きに魅せられて、スポーツカメラマンから転向したという北中さんは、滝の撮影のプロというだけでなく、滝がどのようにしてできたのか、という地質学の知識にも精通しています。
今回、訪れる払沢の滝については、「東京都を代表する滝で、"日本の滝100選"のひとつです。この滝の岩盤は約1億年前の白亜紀に形成された"砂岩泥岩"の互層(質の異なる層が、交互に繰り返し重なる地層)が、海の底から檜原村に移動してきたもの。1億年前といえばアンモナイトが海を泳いでいた時代。その時期の地層が、ダイナミックな地殻変動を経て、私たちの目の前に現れているんです。しかも東京ですよ。私は、滝を見ることで私たちの地球をもっと感じてほしいと思っています」。

その言葉に、僕はショックを受けました。これまで何カ所も滝を訪れましたが、ただボケーっと見てきただけ。そんな視線で見ることなどありませんでした。北中さんによれば、滝の背景には興味深い岩盤がその姿を露出しているそうで、「昔は滝の水量が少ないときには写真を撮りませんでしたが、いまは岩盤の様子がわかるので、それはそれで助かるんです」。滝、奥が深すぎます!

そんな北中さんが、滝の撮り方を伝授してくれました。これから北中さんのツアーに参加する方は、読まないほうがいいかもしれません......ネタバレですから(笑)

まずひとつめは、滝の写真は3つの構図で撮ること。

(1) すべてを画面に入れる「おさまり構図」
(2) 気に入った部分を切り取る「はみ出し構図」
(3) まわりの環境も入れ込む「ゆとり構図」

そしてもうひとつがシャッタースピード

(a) 肉眼に近い見え方→1/125よりも速く
(b) そうめんが流れるような水の表情→1/4よりも遅く(三脚が必要です)

ということは、3つの構図×2種類のシャッタースピード=6パターンの写真を撮ることになります。

下が僕が撮った写真です。

まずは1-aと1-b


次に2-aと2-b


そして3-aと3-b


この日は三脚を持参しなかったので、bの写真はことごとく手ぶれしています。次回は必ず三脚を持って滝を見に行きます。


こちらはおまけ。蛇足という話もありますが(笑)
ダイナミックな滝の姿と心地よい水の音に、しばし仕事であることを忘れてしまった僕。もともと写真を撮るのが好きなので、滝めぐりが新しい趣味になりそう......。

ランチのあと、Golf blue-e-motionでふたたび東京へ。標高が高いところから低いところに向かうため、約100km走行後のバッテリ残量は36%と余裕がありました。

Golf blue-e-motionで滝を訪れるドライブは、クルマと地球をいままでとは別な視点から見るきっかけをつくってくれました。これによって、自分がどう変わっていくのか、想像するだけで楽しくなります。
(Text & Photo by S.Ubukata)