"第4世代(次世代)のパワー&トルクupチューニング"がキャッチフレーズのPPE。正式名称は"プラグインパワーエンハンスド"なのだが、そもそも一体なにが次世代なのか? 現在主流のパワーチューニングとの違いはなにか? まずはそのあたりから解明することにしよう。
エンジン本体には触れず、車体に搭載されたECU(制御コンピューター)のエンジンマネージメント部分のプログラムを書き換え、または上書きして、ノーマルよりも高いパワーとトルクを得るのが、いま主流のECUチューニングだ。作業内容はチューナーにより異なり、チューニングソフトウェアのインストール時間に加えて、場合によってはECU本体の脱着などが必要になるとなると、数時間から数日間、クルマが動かせないという状況に陥ることになる。事情により、チューニングプログラムを削除する場合も、同じ作業時間が必要になってくる。
しかも、カプラーの形状は純正と同等なので追加配線などは一切不要である。プラグイン(カプラーオン)の商品名どおり、取り付けはあっというまに完成。このポロの場合も、作業時間は10分程度だった。そのうえPPEをカプラーから外せば、即ノーマル状態に戻る。この利便性が次世代を名乗るゆえんである。
さて、今回PPEをテストしたポロTSIハイラインには、最高出力105ps、最大トルク175Nm(17.8kgm)を誇る1.2 TSIエンジンが搭載されている。これにPPEを装着することにより、最高出力、最大トルクはそれぞれ122psと217Nm(22.1kgm)に大幅アップが図られる(数値はいずれもメーカー公表値)。小排気量ながら、ノーマルでも十分気持ちのいい走りが楽しめるのだが、大人3名乗車で「TOYO TIRE ターンパイク」を駆け上がると、もう少しパワーがあれば......というのが正直な気持ちだ。
いつものパーキングでPPEを仮装着(作業は6分で完了)。ふたたびTOYO TIRE ターンパイクの本線に戻ると......パワーとトルクが目に見えて向上している! 低回転から明らかに力強さが増していて、それが高回転まで持続する印象なのだ。だから、速さが体感できるのはいうまでもない。
パワーアップはいいけれど、ひょっとしたら乗りにくくなるのではないか......という不安があったが、実際には低回転からアクセルペダルの踏み込みに対する "ツキ"が良くなり、トルクが充実したことも手伝って、動き出しが実にスムーズになった。トルクの出方が自然ななため、運転も格段に楽に。「パワーチューニングには興味はあるけど、いろいろ不安が......」と、躊躇していた多くのユーザーにこそ、試してほしい商品といえるだろう。
なお、8speed.netでは引き続きPPEの長期テストを行う予定。また、ノーマルとPPE装着時の出力測定も予定している。乞うご期待!
(Text by 8speed.net編集部)