細部の洗浄が済んだら、いよいよメインのボディポリッシュ作業に。この成否が最終的な仕上がりを大きく左右するだけに、技術者も気合いが入ります。



素材となる2001年モデルのゴルフ4GTIは、このとおりの汚れっぷり。Part1では、ポリッシュ作業に入る前段階として細部を洗浄しました。


下の写真は、洗車後のボンネットの様子です。光があたると細かい線状のキズが浮き上がります。このキズをポリッシュ作業で取り除こうというのです。


作業に入る前には、作業と関係のない箇所をマスキングしておきます。フロントグリルにもマスキングを施しますが、その貼り方にもノウハウがあり、短時間が剥がせるような工夫が凝らされているといいます。


ポリッシュ作業は3段階で行います。まずは、第1段階の「ファーストポリッシュ」で、塗装面のキズやウォータースポットを除去します。その際、使用する「ポリッシャー」にはウールのバフを装着し、コンパウンドを着けて作業を行います。

このポリッシャーを使った作業が腕の見せどころです。微妙な力加減や回転などで仕上がりが大きく変わってしまうからです。素人が見よう見まねで作業すると、塗装を傷めるだけ。細心の注意を払いながら、丁寧にボディを磨き上げます。
 

第2段階の「セカンドポリッシュ」ではバフをウレタン製に代えて、塗装本来の光沢をはっきり復元するように磨いていきます。
そして第3段階の「ファイナルポリッシュ」では、さらなるつや出しと光沢の調整を行います。ファーストポリッシュとセカンドポリッシュでは、単にバフが回転するだけのシングルポリッシャーを使いましたが、このファイナルポリッシュでは複雑に回転する(2軸で回転する)ギアアクションポリッシャーを使用。これにより"バフ目"を消して、塗装面を鏡面化することができます。


そして、これが磨き上がったボンネット。写真ではわかりにくいかもしれませんが、マスキングテープを貼った右側がポリッシュ前で、左側がポリッシュ後です。細かいキズがすっかり消えて、光沢が蘇ったのがおわかりいだけるはずです。キズが消えたことで、ボンネットの色も深みが出て、クルマが上質に見えるから不思議です。


下地が整ったところで、油分を除去するために脱脂洗車を行います。こうすることでコーティング剤の定着性を高めるのです。

それから、コーティング剤を薄く塗布していきます。使用したのは新素材ガラス系コーティングの「PCX-S7」で、極上の光沢と高い防汚性能、そして、耐すりキズ性の高さが自慢です。


十分に乾燥させて、コーティング剤が定着したところで丁寧に拭き取ります。すると、まさに新車のような輝きが戻ってきました! 写真ではわかりにくいのですが、この美しい空の映り込みが、仕上がりの高さを物語っています。
ちなみに、ボンネットに水を流すと、コーティングを終えた右側は水玉にならず、水がキレイに流れ落ちていきました。PCX-S7は親水性のコーティング剤なので水残りが少なく、これが優れた防汚性を生むのです。
下の写真はボンネットのポリッシュとコーティングを終えたゴルフ4GTI。実車を間近で見ると、ボンネット部分の塗装が深みを増しているのがよくわかります。これにはGTIのオーナーも驚きの様子でした!

このあとボディ全体の作業に入ることになりますが、ひとまず取材はここまで。


ハッチバックのゴルフの場合、プロガラスコーティング作業の価格は7万8750円。丁寧な作業と美しい仕上がりを考えると、納得の金額です。最終的な仕上がりが楽しみです!

Part3ではオートフィルムの施工作業を取材します。

(Text & Photos by S.Ubukata)