プロガラスコーティングに加えて、今回はオートフィルムの施工を行いました。見た目よりも機能重視の優れモノです。



オートフィルムというと、プライバシーを守るために、あるいはファッション性を重視して貼るという人が多いと思います。その一方で、機能性を重視した製品も多く見られます。

その一例が赤外線カットフィルム。太陽の熱線をカットすることで、夏場にキャビンの気温上昇を抑え、エアコンの働きを助けてくれます。当然、燃費向上にも一役買います。

ここで注目したいのが、可視光線の透過率を高めた遮熱フィルム。運転席や助手席のガラス、そして、フロントウインドーはフィルムを貼った状態で可視光線を70%以上通す必要があります。今回使用する「3M ピュアカット89」や「3M クリスタリン90」なら、赤外線をカットしながら、高い可視光線の透過率を誇るので、フロントまわりの施工が可能。リアまわりとあわせれば、さらに高い効果が得られるというわけです。

ゴルフ4GTIの場合、フィルムを貼らない状態で、運転席/助手席ガラスの可視光線透過率を実際に測定してみると、72%という結果が出ました。しかし、より高い透過率を誇るクリスタリンなら、フィルムを施工しても70%を超える透過率が保たれます。一方、フロントウインドーはフロントサイドよりももともと透過率が高いので、ピュアカット89の施工が可能です。

価格は、ピュアカット89をフロントウインドーに施工する場合が4万2000円、クリスタリン90を運転席/助手席ガラスに施工する場合が3万450円です。

なお、貼り付け後に透過率が70%未満になる恐れがある場合は、作業ができないことがあります。また、クリスタリン90はフロントウインドーには施工できません。

取材では、フロントウインドーへのフィルム施工を見せていただきました。

作業に先立ち、車内を保護するために、養生フィルムなどで内張などを覆います。さらにガラス面を洗浄しておきます。

次に、少し大きめにカットしたフィルムをフロントウインドーに載せます。そして、ヒートガンでフィルムを温めます。これは、フィルムをガラスの形状にあわせるために行う熱成型。3次元形状のガラスにフィットさせるにはこの型取りの工程が不可欠なのです。知らなかった......。
熱成型が終わったら、ガラスのサイズにあわせてフィルムをカットします。その際、ルームミラーやフィルムアンテナなどを上手く避けるようにしておくのがポイントです。


マーキングが済んだら、フィルムをはさみでカットします。
これでようやくフィルムの準備が完了しました。ここからさらに厄介な貼り付け作業です。

施工液で濡らしたフロントウインドーの裏に、カッティングしたフィルムをあわせて丁寧に貼り付けます。そして、フィルムとガラスの間の液を根気よく抜いていきます。

端から見ても気の遠くなるような作業ですが、そこはプロの技術者です。気がつけば、気泡や水泡がすっかり消え失せ、美しく仕上がりました。


このように、フロントまわりに熱線カットフィルムを施工しておけば、夏の暑さが大幅に緩和されます。快適性だけでなく省燃費にも貢献する熱線カットフィルムは、これからますます注目されるでしょう。

夏前にあわてて作業をお願いするより、いまから余裕を持って施工しておくことをお勧めします。

(Text & Photo by S.Ubukata)