ゴルフTSIハイライン(以下ゴルフHL)は、「ゴルフGTI」や「ゴルフR」といったホットなモデルを除けば、最もスポーティな性格を持つゴルフだ。パワフルなエンジンと4輪独立懸架サスペンションがもたらすダイナミックな走りが自慢である。
さらに、ゴルフらしい高い直進安定性や快適な乗り心地、そして、優れた燃費性能を兼ね備え、このクラスではトップレベルの実力を持つことはご存じのとおりだ。
そんなゴルフHLに求められるのは、その性能を十二分に引き出してくれるバランスの良いタイヤ。乗り心地や静粛性に優れ、ドライ/ウエットともに十分なグリップが確保され、そして低燃費......というのが理想である。
そこで、真っ先に思いつくのが、
今回は、標準装着サイズと同じ225/45R17をチョイス。ロードインデックス/スピードレンジは94Wで、XL(エクストラロード)のタイプである。
これにあわせて、アルミホイールは「
そんなミシュランPrimacy 3とSPARCO PRO CORSAの組み合わせをゴルフHLに装着し、快適性と走行性をチェックしてみると......。
まずは快適性について。ゴルフ7自体、その静粛性は高く評価されているが、Primacy 3を装着することで走行時のキャビンはさらに静かになる。ノイズコンフォート性では定評のあるPrimacyだけに、このPrimacy 3も期待に違わぬ実力だ。
乗り心地の点でもPrimacy 3は新世代のコンフォートタイヤにふさわしい印象を与えている。路面とのコンタクトがスムーズであり、真円度も高いおかげで、タイヤが気持ちよく回転を続けるのは好感を抱く。
乗り心地が快適といっても決してソフトなわけではなく、乗る人によっては乗り心地が少し硬く感じたり、もう少しマイルドなほうがいいと思うかもしれない。ただ、ゴルフとのマッチングという意味ではさほど気になることではなく、むしろ私としてはステアリングにその剛性感が伝わってくるのが運転していて頼もしく思えた。エコタイヤのようなザラザラとして感触もなく、直線路をサラッと駆け抜ける感覚である。
走行性については、十分なドライ/ウェットグリップを確保している。そのため、高速走行時の安定性は申し分なく、ゴルフらしい矢のような直進性を手に入れている。一方、コーナーを曲がるときもグリップに余裕があり、ステアリング操作に対する反応も実に自然。おかげで、ゴルフが誇る軽快なハンドリングを存分に楽しむことができる。
さらに、燃費でもエコタイヤと互角の性能を発揮。つまり、Primacy 3は、乗り心地、走り、そして燃費のすべてにおいて、非常にバランスの良い性能に仕上がっているのだ。
クルマの性能を生かすも殺すもタイヤ次第......。そういう意味では、このPrimacy 3はゴルフのポテンシャルをフルに引き出すことのできるタイヤであるし、間違いなくゴルフにふさわしい選択だと断言できる。
今回はゴルフHLに装着しているが、トレンドラインやコンフォートラインなどベーシック系のタイヤが装着されるモデルであれば、Primacy 3に交換することでゴルフHL以上の効果が期待できるだろう。
ワンランク上のゴルフを目指すなら、ぜひタイヤにこだわってほしいものだ。
(Text by S.Ubukata)