フォルクスワーゲン グループ ジャパンは、コンパクトミニバン「ゴルフトゥーラン」の装備を一部変更し、9月29日から販売を開始した。

今回のトピックは、ゴルフトゥーランTSIトレンドライン、ゴルフトゥーランTSIハイラインともに、トランスミッションが湿式6段DSGから乾式7段DSGに変更されたことだ。

※パドルシフトはTSIハイラインに標準装備
搭載されるエンジンは、従来どおり1.4LツインチャージャーTSI、すなわち、ターボ&スーパーチャージャー付きの直噴ガソリンエンジンで、TSIトレンドラインが最高出力103kW(140ps)、最大トルク220Nm(22.4kgm)、TSIハイラインが最高出力125kW(170ps)、最大トルク240Nm(24.5kgm)というスペックは変わらない。10・15モード燃費はともに14.2km/Lで、従来に比べて約15%の改善となった。

6DSGから7DSGに変更される際、ゴルフやゴルフヴァリアントではハイパワー版の1.4L TSIが170psから160psに変わったが、このトゥーランTSIハイラインのエンジンスペックはそのままだ。というのも、そもそも、7DSGと170ps版の1.4L TSIは組み合わせが可能であり、170ps版でも160ps版でも最大トルクは240Nmと、7DSGの許容トルクの250Nmを下回っている。

では、なぜ170ps版と160ps版が存在するかというと、それは販売される地域におけるガソリンのクオリティを考慮したからだという。具体的には、ハイパワー仕様のトゥーランは比較的限られた市場に投入され、ガソリンのクオリティ(オクタン価)が安定しているということから170psに、一方、より広い地域で販売されるゴルフやゴルフヴァリアントは、日本ほど高いガソリンのクオリティが期待できない場所もあるので、最高出力が160psに抑えられているそうだ。

ならばECUの調整で、日本仕様のゴルフやゴルフヴァリアントは170psにしてほしいと思う一方、冷静に考えると、170ps版でも160ps版でも最大トルクの値やその発生回転域が同じだから、数字の差はあくまでカタログ上の話で、体感上はほとんど変わらない可能性は高い。

トランスミッション以外の変更は、電動格納式ドアミラーにリバース連動(助手席)が備わるようになったことだ。

さらに、TSIハイラインでは、レザーシートとパークディスタンスコントロールのセットオプションが新たに設定されている(34万6500円)。
車両本体価格は、TSIトレンドラインが288万円、TSIハイラインが340万円。いずれも従来より4万円の価格アップとなった。

(Text by S.Ubukata)