● ドイツの共同チームが2012年まで電気自動車の持続可能な利用について研究
● フォルクスワーゲンが試験用に「ゴルフ ヴァリアント ツインドライブ」を提供
<ウォルフスブルグ/ベルリン、2011年6月28日>
フォルクスワーゲンはこの日、6つのプロジェクパートナーおよびドイツの環境省と共同で、2008年7月から進めていた「エレクトリックモビリティの実証試験」の中間報告を行いました。2012年6月まで継続予定のこのプロジェクトの目的は、再生可能エネルギー資源を電気自動車に持続的に活用していくというものです。
共同研究の根幹を成すハードウェアとして、フォルクスワーゲンは最新世代の「ゴルフ ヴァリアント ツイン ドライブ」を合計20台製作して提供しました。プラグインハイブリッドのドライブシステムを採用したこのクルマは、市街地においては電気モーターを使ってゼロエミッションで走行することが可能です。純粋な電動モードで最長57kmの走行を可能にしているほか、小型の内燃エンジンを搭載することで、合計900kmの航続距離を実現しました。フォルクスワーゲンAGの取締役会会長を務めるマルティン ヴィンターコルンは、ゴルフ ヴァリアント ツインドライブについて次のようにコメントしています。「純粋な電気自動車として、都市部におけるゼロエミッション走行と、非常に長い航続距離の確保を課題にした場合、フォルクスワーゲンのツインドライブは、現時点における新たな基準を確立したといえるでしょう。このツインドライブシステムにより、大多数の自動車ユーザーにとって理想的なモビリティの形態を中期的に実現することができるのです。」
エネルギー政策の大転換に直面した共同研究
「エレクトリックモビリティの共同研究」は、日本で発生した事故と、それをきっかけとしたドイツ政府の脱原発への転換という事態をうけて、さらなる重要性を帯びることになりました。ドイツ連邦政府は、2020年までにドイツ国内だけで、純粋な電気自動車の保有台数を100万台にするという計画を持っています。しかしながら、それらの電気自動車は、環境保護対策として明確な成果をあげるために、持続可能な方法での運用、つまりは再生可能エネルギーをもとにした電力を使って運転されなければなりません。
再生可能エネルギーの使用を前提としたシステム
もっとも、エネルギー政策が転換を見せる以前から、フォルクスワーゲンは再生可能エネルギーの利用拡大の必要性を強く訴えてきました。2010年の中頃に上海で開催した電気自動車のワークショップにおいて、マルティン ヴィンターコルン会長は次のように発言しています。「未来に向けた電気自動車を開発していく中で、私たちはモビリティをより持続可能なものにしてくための大きな機会を手にしています。しかしながら、環境への効果をより確実なものにするために、私たちは、電気自動車を駆動するための電力を再生可能な方法、つまり再生可能エネルギー資源をもとに、得るようにしなければなりません。自動車メーカーは、建設する発電施設の種類を決めることはできませんから、政府は、環境に優しいエネルギー資源がそこで使われるようにするべきだと思います。そうしたことが実現して初めて、私たちは新しいモビリティの時代に移行したと、言えるようになるのです。」 そして、その「新しいモビリティの時代」は、いま私たちの手の届くところにまで来ているのです。
電力網の安定性を最適化する
ドイツでは電力の16%以上が、すでに再生可能エネルギー資源から発電されており、2020年までにこの比率を30%に伸ばす計画が進められています。例えばフォルクスワーゲンは、ドイツのエムデン工場に、世界最大級の風力発電施設を建設しており、同工場で使う電力の3 分の1 をその施設から得ています。また、太陽光や水力を使った発電も、各地で増えています。そうした電力は今後、自動車にも使われていく必要がありますが、自然の力(太陽光や風)を利用しているだけに、供給の不安定性といった課題も抱えています。そのため、需要のピークが供給能力を超えないよう、電気の使用をコントロールするといった作業が必要になってきます。そうした事情を背景に、「エレクトリックモビリティの共同研究」では、外部からの充電や電力負荷/充電プロセスのインテリジェントな制御といった新しい機能を備えたクルマにおいて、ドライバーがどのような行動傾向を示すのか、分析を行っています。さらに、自動車に搭載されたリチウムイオン電池を活用することで、日々の電力需要のピークを抑えるといったアイデアも、将来に向けたシナリオとして、研究の対象に加えています。
今後注目を集めるプラグインハイブリッド
フォルクスワーゲンはこの「エレクトリックモビリティの共同研究」を通じて、ゴルフ ヴァリアント ツインドライブのようなプラグインハイブリッド車が、日常的な使用でどのように取り扱われるのか、貴重なデータを集めつつあります。すでに言及しているように、テストに供されている20台のゴルフ ヴァリアント ツインドライブは、排気ガスを出さない純粋な電動モードで、かなり長い距離を走ることが可能です。「環境ゾーン」という呼び方が、都市部において、まったく新しい意味を持つことになりました。フォルクスワーゲンAGの目標のひとつは、2013/2014年中に、数多くのプラグインハイブリッド車を市場に投入することです。電気およびハイブリッドカーの分野において、それらはアウディ、ポルシェ、フォルクスワーゲンといったグループ内の各ブランドからすでに販売されているハイブリッドモデル、および2013年以降にデビュー予定の純粋な電気自動車を、補完する製品になるでしょう。プラグインハイブリッド車、つまり内燃エンジンと電気モーターと外部から充電可能なバッテリーを備えたクルマは、都市においてはとりわけ大きな意味を持つと考えられます。これについて、ヴィンターコルン会長は、以下のようにコメントしています。「中期的に見れば、プラグインハイブリッドは非常に高い可能性を秘めているといえます。その理由は、電気と内燃機関の良い部分を融合したクルマだからです。」 ヴィンターコルンによれば、プラグインハイブリッドは、内燃エンジンを搭載した自動車と同等の長い航続距離と、日常ユースでの魅力的な電動ドライブという、多くの顧客がまさに望んでいることを実現してくれるシステムなのです。
ドイツの専門家たちを結集した共同研究
プラグインハイブリッド車と純粋な電気自動車の大規模な導入は、自動車メーカーにとって、今後しばらく大きな挑戦課題となっていくでしょう。ヴィンターコルン会長は次のように語っています。「自動車産業界の一大拠点であるヨーロッパにとって、モビリティの電化は、今後1世紀にもわたる大きな課題であり続けるでしょう。自動車メーカー、部品メーカーからエネルギー会社、科学者、そして政治家に至るまで、すべての人々が参画していかなければなりません。」 ドイツにおいて、この「エレクトリックモビリティの共同研究」は、まさにそうした様々な分野の専門家を結集して行われているのです。
6つのプロジェクトパートナー
「エレクトリックモビリティの共同研究」は、フォルクスワーゲンAGのリーダーシップのもと、産業および研究 分野から6つのプロジェクトパートナーが集って推進されています。エネルギー産業を代表しているのは電力会社のE.ON、研究分野からは、フラウンホーファー ゲゼルシャフトISIT(バッテリーシステムと新しいバッテリー素材の化学的研究を担当)、エネルギーと環境リサーチのためのハイデルベルグ研究所(IFEU: 環境バランスを検討)、ドイツ エアロスペース センター(DLR: 分析、予想、交通に関するシナリオ作り)、ミュンスターのウェストファリアン ヴィルヘルム大学(体系的方法論およびバッテリーセルの実験研究を担当)の各機関が、それぞれのノウハウと専門知識を持ち寄って、研究に貢献しています。
フォルクスワーゲンはこの日、6つのプロジェクパートナーおよびドイツの環境省と共同で、2008年7月から進めていた「エレクトリックモビリティの実証試験」の中間報告を行いました。2012年6月まで継続予定のこのプロジェクトの目的は、再生可能エネルギー資源を電気自動車に持続的に活用していくというものです。
共同研究の根幹を成すハードウェアとして、フォルクスワーゲンは最新世代の「ゴルフ ヴァリアント ツイン ドライブ」を合計20台製作して提供しました。プラグインハイブリッドのドライブシステムを採用したこのクルマは、市街地においては電気モーターを使ってゼロエミッションで走行することが可能です。純粋な電動モードで最長57kmの走行を可能にしているほか、小型の内燃エンジンを搭載することで、合計900kmの航続距離を実現しました。フォルクスワーゲンAGの取締役会会長を務めるマルティン ヴィンターコルンは、ゴルフ ヴァリアント ツインドライブについて次のようにコメントしています。「純粋な電気自動車として、都市部におけるゼロエミッション走行と、非常に長い航続距離の確保を課題にした場合、フォルクスワーゲンのツインドライブは、現時点における新たな基準を確立したといえるでしょう。このツインドライブシステムにより、大多数の自動車ユーザーにとって理想的なモビリティの形態を中期的に実現することができるのです。」
エネルギー政策の大転換に直面した共同研究
「エレクトリックモビリティの共同研究」は、日本で発生した事故と、それをきっかけとしたドイツ政府の脱原発への転換という事態をうけて、さらなる重要性を帯びることになりました。ドイツ連邦政府は、2020年までにドイツ国内だけで、純粋な電気自動車の保有台数を100万台にするという計画を持っています。しかしながら、それらの電気自動車は、環境保護対策として明確な成果をあげるために、持続可能な方法での運用、つまりは再生可能エネルギーをもとにした電力を使って運転されなければなりません。
再生可能エネルギーの使用を前提としたシステム
もっとも、エネルギー政策が転換を見せる以前から、フォルクスワーゲンは再生可能エネルギーの利用拡大の必要性を強く訴えてきました。2010年の中頃に上海で開催した電気自動車のワークショップにおいて、マルティン ヴィンターコルン会長は次のように発言しています。「未来に向けた電気自動車を開発していく中で、私たちはモビリティをより持続可能なものにしてくための大きな機会を手にしています。しかしながら、環境への効果をより確実なものにするために、私たちは、電気自動車を駆動するための電力を再生可能な方法、つまり再生可能エネルギー資源をもとに、得るようにしなければなりません。自動車メーカーは、建設する発電施設の種類を決めることはできませんから、政府は、環境に優しいエネルギー資源がそこで使われるようにするべきだと思います。そうしたことが実現して初めて、私たちは新しいモビリティの時代に移行したと、言えるようになるのです。」 そして、その「新しいモビリティの時代」は、いま私たちの手の届くところにまで来ているのです。
電力網の安定性を最適化する
ドイツでは電力の16%以上が、すでに再生可能エネルギー資源から発電されており、2020年までにこの比率を30%に伸ばす計画が進められています。例えばフォルクスワーゲンは、ドイツのエムデン工場に、世界最大級の風力発電施設を建設しており、同工場で使う電力の3 分の1 をその施設から得ています。また、太陽光や水力を使った発電も、各地で増えています。そうした電力は今後、自動車にも使われていく必要がありますが、自然の力(太陽光や風)を利用しているだけに、供給の不安定性といった課題も抱えています。そのため、需要のピークが供給能力を超えないよう、電気の使用をコントロールするといった作業が必要になってきます。そうした事情を背景に、「エレクトリックモビリティの共同研究」では、外部からの充電や電力負荷/充電プロセスのインテリジェントな制御といった新しい機能を備えたクルマにおいて、ドライバーがどのような行動傾向を示すのか、分析を行っています。さらに、自動車に搭載されたリチウムイオン電池を活用することで、日々の電力需要のピークを抑えるといったアイデアも、将来に向けたシナリオとして、研究の対象に加えています。
今後注目を集めるプラグインハイブリッド
フォルクスワーゲンはこの「エレクトリックモビリティの共同研究」を通じて、ゴルフ ヴァリアント ツインドライブのようなプラグインハイブリッド車が、日常的な使用でどのように取り扱われるのか、貴重なデータを集めつつあります。すでに言及しているように、テストに供されている20台のゴルフ ヴァリアント ツインドライブは、排気ガスを出さない純粋な電動モードで、かなり長い距離を走ることが可能です。「環境ゾーン」という呼び方が、都市部において、まったく新しい意味を持つことになりました。フォルクスワーゲンAGの目標のひとつは、2013/2014年中に、数多くのプラグインハイブリッド車を市場に投入することです。電気およびハイブリッドカーの分野において、それらはアウディ、ポルシェ、フォルクスワーゲンといったグループ内の各ブランドからすでに販売されているハイブリッドモデル、および2013年以降にデビュー予定の純粋な電気自動車を、補完する製品になるでしょう。プラグインハイブリッド車、つまり内燃エンジンと電気モーターと外部から充電可能なバッテリーを備えたクルマは、都市においてはとりわけ大きな意味を持つと考えられます。これについて、ヴィンターコルン会長は、以下のようにコメントしています。「中期的に見れば、プラグインハイブリッドは非常に高い可能性を秘めているといえます。その理由は、電気と内燃機関の良い部分を融合したクルマだからです。」 ヴィンターコルンによれば、プラグインハイブリッドは、内燃エンジンを搭載した自動車と同等の長い航続距離と、日常ユースでの魅力的な電動ドライブという、多くの顧客がまさに望んでいることを実現してくれるシステムなのです。
ドイツの専門家たちを結集した共同研究
プラグインハイブリッド車と純粋な電気自動車の大規模な導入は、自動車メーカーにとって、今後しばらく大きな挑戦課題となっていくでしょう。ヴィンターコルン会長は次のように語っています。「自動車産業界の一大拠点であるヨーロッパにとって、モビリティの電化は、今後1世紀にもわたる大きな課題であり続けるでしょう。自動車メーカー、部品メーカーからエネルギー会社、科学者、そして政治家に至るまで、すべての人々が参画していかなければなりません。」 ドイツにおいて、この「エレクトリックモビリティの共同研究」は、まさにそうした様々な分野の専門家を結集して行われているのです。
6つのプロジェクトパートナー
「エレクトリックモビリティの共同研究」は、フォルクスワーゲンAGのリーダーシップのもと、産業および研究 分野から6つのプロジェクトパートナーが集って推進されています。エネルギー産業を代表しているのは電力会社のE.ON、研究分野からは、フラウンホーファー ゲゼルシャフトISIT(バッテリーシステムと新しいバッテリー素材の化学的研究を担当)、エネルギーと環境リサーチのためのハイデルベルグ研究所(IFEU: 環境バランスを検討)、ドイツ エアロスペース センター(DLR: 分析、予想、交通に関するシナリオ作り)、ミュンスターのウェストファリアン ヴィルヘルム大学(体系的方法論およびバッテリーセルの実験研究を担当)の各機関が、それぞれのノウハウと専門知識を持ち寄って、研究に貢献しています。
(フォルクスワーゲン グループ ジャパン プレスリリース)