今年のジュネーブショーでデビューすると噂されている新型アウディA3には、新開発のプラットフォーム「MQB」が採用される。



MQBは、今後、フォルクスワーゲン、アウディ、シュコダ、セアトのA0からBセグメントの車両に採用される横置きエンジン用のプラットフォーム。フロントサスペンション、ステアリング、エンジンまわりなどの共通化を図ることで、車両の開発や生産の効率化を目指すとともに、ホイールベースとトレッドが自在に変更できることから、さまざまな車種を生み出すことが可能になる。

たとえば、フォルクスワーゲンの場合は、ポロクラスからフォルクスワーゲンCCクラスまでの広い範囲をカバーする。アウディならA1からA3まで。横置きエンジン用のプラットフォームなのでA4/A5などは対象外である。

ちなみにMQBはドイツ語のModularen Querbaukastenの略で、英語ではModular Transverse Matrixと標記される。

MQBにはEA211シリーズと呼ばれるモジュラーガソリンエンジンをはじめ、ディーゼルエンジンのEA288シリーズ、さらには代替燃料エンジンやEV、プラグインハイブリッドなどが組み合わされる。
ガソリンエンジンのEA211シリーズには、3気筒と4気筒版が用意される。どちらもシリンダー間隔(ボアピッチ)は82mmで、3気筒エンジンは4気筒から1気筒を切り落としたイメージだ。

3気筒版はポート噴射(ガソリンを吸気ポートに噴射するタイプ)を採用し、すでにup!用として紹介されている。一方、4気筒版はTSI(直噴ガソリンターボエンジン)で、1.2 TSI(83psまたは105ps)、1.4 TSI(122psまたは140ps)が用意される。1.2 TSIは従来のSOHCからDOHCに変更になる。


アルミのシリンダーブロックを採用するEA211は、おなじ1.4 TSIどうしで比べた場合、従来のEA111(鋳鉄ブロックを使用)に対して約16kgの軽量化を実現している。

140ps版の1.4 TSIには、低負荷時に第2、第3シリンダーを休止して燃費向上を図るACT(アクティブシリンダーマネージメント)が搭載される。

新しいプラットフォーム、新しいエンジンは登場間近といわれる次期アウディA3、そして、新型ゴルフに搭載される。果たしてどんなドライビングを私たちにもたらすのか? その実力を試すのがいまから楽しみだ。

(Text by S.Ubukata)