2014年8月21日〜24日、WRC第9戦ラリー・ジャーマニーが行われ、アンドレアス・ミケルセンが3位でフィニッシ、今季3度目の表彰台を獲得した。
ラリー・ジャーマニーは、トリアーを拠点に18のSSで行われるターマックラリー。ブドウ畑を駆け抜けるシーンが多く見られるこのラリー、フォルクスワーゲンにとっては母国での開催とあり、その活躍が期待される1戦であった。


本格的な競技が始まった22日は、フォルクスワーゲンのセバスチャン・オジェとヤリ-マティ・ラトバラが激しいトップ争いを繰り広げる。SS5終了時点でトップのオジェがラトバラに5.5秒差を築いていた。一方、2位のラトバラと3位のクリス・ミーク(シトロエン)には31秒4の差があり、フォルクスワーゲン優勢の展開を誰もが疑わなかった。


ところが22日最終のSS6でオジェがコースアウトし、優勝戦線から離脱してしまう。オジェは23日には再スタートを切ったがSS8で再びクラッシュし、ラリーを終えることに。

代わりにトップに躍り出たのがラトバラで、23日は7つのSS中5つでトップタイムをマークし、2位ミークとの差を56秒6まで広げていく。


そして最終日の24日、残すSSは4つ。ラトバラには優勝が見えていたはずだが、最初のSS15でコースアウト、激しいクラッシュによりリタイヤを喫してしまう。これでミークにチャンスが巡ってきたが次のSS16でミークもクラッシュ。


これでトップに躍り出たのがヒュンダイのティエリー・ヌービル。SS16でトップタイムをマークし、さらに残る2つのSSでも危なげない走りを見せ、ヒュンダイを初優勝に導いている。2位は同じヒュンダイのダニ・ソルド、そして、3位はフォルクスワーゲンのアンドレアス・ミケルセン。ミケルセンは今季3度目の表彰台である。


これにより、昨年から続いていたフォルクスワーゲンの連勝は12でストップ。フォルクスワーゲン モータースポーツ ディレクターのヨースト・カピートは「勝利を目前にしていただけに非常に残念です。人間ですからミスもしますし、これもラリーです。ドイツでは運がなかったということでしょう。その代わり、ミケルセン選手が表彰台を獲得してくれました」とコメント。

また、ミケルセンは「チームはいつものように、勝利のため全力を尽くしましたが、残念な結果となってしまいました。私の舗装路のラリーで初めての表彰台が、チームにとってせめてもの救いになるといいのですが......」と述べている。

次戦は9月11日〜14日開催のラリー・オーストラリア。果たして誰がフォルクスワーゲンを再び勝利に導くのだろうか?

(Text by S.Ubukata)