ラリー・オーストラリアは、20のSSで競われるグラベル(未舗装路)ラリー。前戦のラリー・ジャーマニーで優勝を逃したフォルクスワーゲンとしては、このラリー・オーストラリアで勝利を収め、マニファクチュアラーズタイトルを決めたいところだ。
初日の12日は8つのSSが行われ、SS1でフォルクスワーゲンのセバスチャン・オジェがトップタイムを叩き出したが、SS2とSS3でシトロエンのクリス・ミークがトップタイムを連発し首位に躍り出る。
しかし、SS4、SS7、SS8でオジェがトップタイムをマークし、首位を奪い返すとともに、チームメイトのヤリ-マティ・ラトバラが0.4秒差で2位、アンドレアス・ミケルセンが3.5秒差で3位に着け、早くも上位3位を独占するかたちとなった。
2日はSS9とSS10でラトバラがオジェを上回るタイムをマークし、首位を奪還。チームメイト同士の争いが激化していくが、午後のSSでタイヤの選択をミスしたラトバラは、オジェに水をあけられることに。SS10〜14すべてをトップタイムで通過したオジェは、SS14終了の時点で2位ラトバラとの差を11.8秒まで広げる。
ラトバラと3位のミケルセンと差は13.5秒で、その1.5秒遅れでミークが迫っていたが、SS10での走りがペナルティ対象になり61秒が加算、フォルクスワーゲンの1-2-3が決定的になった。
こうなると、オジェとラトバラのトップ争いに注目が集まるが、ラトバラは健闘するも総合タイムではオジェに及ばず、最終的にはオジェがラトバラに6.8秒の差をつけて優勝を手に入れた。そして、ミケルセンが3位となり、フォルクスワーゲンが表彰台を独占した。
これにより、フォルクスワーゲンは今季のマニファクチュアラーズタイトルを決めた。
こうなると、次の興味はドライバーズタイトル争いの行方だ。現在、オジェがトップで、これを50ポイント差でラトバラが追う展開。
次戦は10月3日スタートのラリー・フランス。オジェが地元でドライバーズタイトルを決められるかどうかに注目が集まる。
(Text by S.Ubukata)