2014年のドライバーズタイトルを争うのは、フォルクスワーゲンのセバスチャン・オジェとヤリ-マティ・ラトバラ。もし、このスペインでオジェがラトバラの順位を上回ればオジェのドライバーズタイトルが決まる。
17のSS(372.96km)、総走行距離1391.53kmのラリー・スペインは24日がグラベル(未舗装路)、25〜26日がターマック(舗装路)で争われる特別なラリーだ。
オジェとラトバラ、先に総合トップに躍り出たのはオジェ。ラリー2日目(24日)のSS4でトップタイムをマークし、総合首位に立つと、SS7まで連続でベストを叩き出し、2位ラトバラとの差を一気に36.6秒まで広げてしまった。
SS7終了後、各マシーンはグラベルからターマックにセッティングを変更。そして3日目、SS8以降に臨む。
オジェのドライバーズタイトル獲得を阻みたいラトバラは、この日10のSSで8回のトップタイムをマーク。それでも首位オジェとの差は27.3秒までにしか縮まらない。
最終日の26日もラトバラが猛プッシュ、4つのSSすべてでトップタイムを叩き出したが、それでもオジェに11.3秒及ばず、オジェが今季7度目の優勝を果たし、2年連続でドライバーズタイトルを獲得した。
ラリー終了後、フォルクスワーゲン・モータースポーツでディレクターを務めるヨースト・カピートは「素晴らしい戦いぶりを見せてもらいました。オジェと(コドライバーの)イングラシアのふたりは、名だたる世界チャンピオンたちの仲間入りを果たしたといっていいでしょう。この勝利を支えたすべての人に感謝します」と語った。
オジェは「2度も世界チャンピオンになれるなんて、夢のような気分です。ラトバラは非常に速く、タイトル争いは大変でした。フォルクスワーゲンという素晴らしいチームの一員であることを誇りに思います」とコメント。一方のラトバラは、「まずは優勝したふたりを祝福したいと思います。われわれも必死に頑張りましたが、彼らの速さには敵いませんでした。舗装路では速さを見せられましたが、未舗装路では今後に課題が残りましたね」と述べた。
なお、フォルクスワーゲンは、オジェ、ラトバラ、そして、アンドレアス・ミケルセンを2015年も起用することを発表している。
今季最終戦となるラリー・グレートブリテンは2014年11月13日にスタート。有終の美を飾るのは、果たしてオジェか、ラトバラか?
(Text by S.Ubukata)