ラリー・メキシコは、メキシコ中部の街、レオンをベースとするグラベルラリー。標高が高く、エンジン出力が低下するのが悩ましいところ。SSは21で、SS距離395.2km、総走行距離998.66kmで争われる。
1日目の5日は、世界遺産のグアナファト市内でセレモリアルスタートが行われ、その後、市街地のSS1とサーキットのSS2に挑むが、フォルクスワーゲンのセバスチャン・オジェは、SS1こそ3位だったが、SS2ではトップタイムを叩き出して、早くも首位に浮上。さらに、アンドレアス・ミケルセンが3位、ヤリ-マティ・ラトバラが4位の好スタートを切った。
2日目は、ヒュンダイのティエリー・ヌービルなど、ライバルがアクシデントで次々リタイヤする一方、フォルクスワーゲン勢は好調な走りを見せる。なかでもオジェは総合首位を守り続け、また、ラトバラは2位、ミケルセンが4位で上位を狙う。
3日目もオジェの快走は続き、2位のシトロエンのマッズ・オストベルグとは1分以上の差をキープ。一方、ラトバラはリタイヤとなり、ミケルセンがオストベルグと4.5秒差で3位にポジションアップした。
そして、4日目は3つのSSのうち、最終のパワーステージでオジェがトップタイムをマーク、他の2つでも危なげない走りで今季3勝目を果たしている。ミケルセンはオストベルグとの差を縮めることができず、3位でラリーを終えた。
レース後、オジェは「キャリアのなかでもベストな勝利のひとつです。私とジュリアン(イングラシア)にとって、まさに完璧な週末でした。ポロ R WRCにはなんの不安もなく、チームも素晴らしい仕事をしてくれました」とコメント。
また、フォルクスワーゲン モータースポーツ ディレクターのヨースト・カピートは「メキシコで3年連続の勝利は最高の結果です。オジェ選手はタイヤのマネジメントも完璧でしたし、 ミケルセン選手も2度目のメキシコながら、いい走りを見せたと思います。ラトバラ選手も諦めずに走り切ったことでマニュファクチャラーズポイントを獲得し、チームに貢献してくれました」と選手たちの健闘を称えた。
次戦は4月23日スタートのラリー・アルゼンチン。
(Text by S.Ubukata)