ラリー・ポーランドは、1912年に初開催された長い歴史を持つラリーで、首都ワルシャワの北200kmの街「ミコワイキ」を拠点に21のSS、SS距離306.10km、総走行距離1253.29kmで争われる。
高速グラベルイベントとして知られるラリー・ポーランドでは、好成績のフォルクスワーゲン勢が早い順でのスタートとなるため、砂の掃除役を強いられ不利な状況。それでも、7月1日、10のSSを終えた時点で、ミケルセンがトップと4.2秒差で2位につける。首位は、フォード・フィエスタを駆るオット・タナク。
7月2日もスタート順が早いミケルセンが不利な状況となったものの、SS18ではトップタイムをマークするなどして、なんとか2位をキープする。セバスチャン・オジェは6位、ヤリ-マティ・ラトバラは5位でこの日を終えている。
最終日、ミケルセンは首位のタナクを21秒3遅れで追うことになるが、残り2SSというところで、タナクのマシーンがパンクに見舞われ40秒のタイムロス。これにともない、ミケルセンがトップに躍り出た。
タナクは最終のSS21で16秒5の差を逆転することは叶わず、ミケルセンがWRC通算2勝目をあげた。
レース後、ミケルセンは、「何という結果だろう! とにかくスタートから全力でアタックしました。今日はコンディションが一変したのでチャンスがあると思っていました。そのチャンスを掴めたことができて幸いです」と述べた。
また、フォルクスワーゲン モータースポーツ ディレクターのヨースト・カピートは、「アンドレアス(ミケルセン)は、自らのパフォーマンスを誇りに思って良いでしょう。最後まで諦めなかったからこそ、勝利を呼び寄せました。オット・タナク選手も勝利に値します。チーム全体として見れば、今回のパフォーマンスには満足しています。完璧な仕事をしてくれたクルーに敬意を表します」とミケルセン、そして、チームを称えた。
次戦、ラリー・フィンランドは7月28日から。ラトバラの地元だけに、優勝への期待が高まる。
(Text by S.Ubukata)