2016年8月18日〜21日、WRC第9戦ラリー・ドイツが行われ、フォルクスワーゲンのセバスチャン・オジェが今季3勝目を挙げた。
ラリー・ドイツは、ドイツ西部の街、トリアーを拠点に、18のSS、SS距離306.80km、総走行距離1209.69kmで争われるターマック(舗装路)ラリー。昨年はフォルクスワーゲン勢が表彰台を独占している。


今年、モータースポーツ活動50周年を迎えるフォルクスワーゲンは、名物SS「パンツァープラッツ」において往年のラリーカーのデモ走行や、ポロR WRCによるタクシーライドなどを行い、自国開催のイベントを盛り上げた。


序盤は、フォルクスワーゲンのアンドレアス・ミケルセンがリード。デイ1の19日、SS2で首位を手にすると、デイ2途中のSS7までトップをキープ。その後もオジェと首位争いを繰り返すが、SS10のパンツァープラッツで好タイムをマークしたオジェは後続との差を広げ、デイ2最後のSS14終了時点で2位ミケルセンとの差を33.4秒とした。


最終日のデイ3は、オジェが着実な走りで首位を守る一方、ミケルセンはヒュンダイのダニ・ソルドに2位を奪われ、3位でラリーを終えた。

なお、フォルクスワーゲンのヤリ-マティ・ラトバラは、SS1でギアボックスのトラブルに見舞われ、デイリタイヤを喫している。


イベント後、オジェは「再び表彰台の頂点に立つことができました。ジャンプしたら月に手が届きそうな気分です。ヨースト・カピートに最後のプレゼントを贈れて幸いです」と語った。

このラリーを最後にフォルクスワーゲンを去るフォルクスワーゲン モータースポーツ ディレクターのヨースト・カピートは「今はかなり感傷的になっています。フォルクスワーゲンのプログラムに関わるのは、今回が最後で す。有終の美を飾ってくれたセバスチャンとジュリアンには心から感謝しています」と述べている。


9月に予定されていたラリー・チャイナが中止になったことから、「ラリー・フランス(ツール・ド・コルス)が第10戦となり、9月29日〜10月2日に開催される。

(Text by S.Ubukata)