2017年12月23日、千葉県の袖ヶ浦フォレスト・レースウェイにおいて「Tetsuya OTA ENJOY&SAFETY DRIVING LESSON with Volkswagen」が開催された。
元レーシングドライバーでモータージャーナリストの太田哲也氏が校長を務めるこのイベントは、単にサーキットを速く走るためのスクールではなく、「injured ZERO」を掲げて、公道における事故ゼロを目標とするもの。フォルクスワーゲンとのコラボレーションはこれが8回目で、今回は全クラスがフォルクスワーゲンオーナー向けとなった。


当日は40台あまりのフォルクスワーゲン車が、ドライビングレッスンやタイムトライアルの「スパタイGP」参加のために袖ヶ浦フォレスト・レースウェイに集合。フォルクスワーゲン グループ ジャパンが用意した車両も加わり、サーキットのパドックはフォルクスワーゲン一色に染まった。


まずは太田校長が「injured ZERO」の説明や安全運転の心得などを講義。太田校長は、サーキット走行をエンジョイすることが一般道での安全走行につながると話す。周囲のドライバーを尊重し、次に何が起こるかを予想しながら走ることが、安心・安全なドライビングを生むことを力説した。


ゲスト講師として招かれたフォルクスワーゲンAG認定トレーナーの金子陽一さんからは、フォルクスワーゲンが掲げる「Volkswagen オールイン・セーフティ」が紹介された。


さらに斎藤慎輔講師が、初級の「ベーシックレッスン」受講者向けに、上手なドライビングに不可欠な荷重移動について講義を行った。


座学のあとは、さっそく午前の実習がスタート。運転の基本であるドライビングポジションを説明するのは、ゲスト講師の番場 彬さん。正しいドライビングポジションをとることで、安全性が向上するとともに、操作性が高まることを学ぶ。


こちらは、講師の運転による「プロアクティブ・オキュパント・プロテクション」の体験。クルマが横滑りなどを検知すると、自動的に窓やスライディングルーフを閉じ、乗員の車外放出などを防ぐという、フォルクスワーゲンの安全機能だ。


本コース上では、講師による同乗走行が行われた。これによって、ライン取りやステアリングホイール、ブレーキ、アクセルの操作を学ぶ。コース上にはグリーンのパイロンが設置され、これに近づくように走るのがポイントだ。


ランチタイムには、太田校長と金子講師によるトークショーが行われた。金子講師からはドイツでの認定トレーナー研修の様子などが語られ、参加者は興味深く話に耳を傾けていた。


ランチのあとは、各自が愛車に乗り込み、レッスンを開始。ベーシックレッスンでは、パイロンによりつくられた特設コースでスラロームを行い、荷重移動の大切さなどを身体に叩き込む。


一方、アドバンスレッスンでは講師の先導走行のあと、3回にわたってフリー走行が行われた。


走行の合間には、太田校長から走り方のアドバイスを聞く時間も。参加者は、苦手なコーナーを克服するヒントを手に入れたようだ。


レッスン後は、ドライビングレッスンに併催のスパタイGPが行われ、1台ずつのタイムアタックが行われた。太田校長も"郷田鉄生"としてスパタイGPに参加し、ゴルフRやゴルフGTIの実力の高さを再確認していた。


そして、プログラムは1台のクラッシュもなく無事に終了。最後に講師の講評があり、その後、参加者ひとりひとりに修了証が手渡された。


ベーシックレッスンに参加した新井さんは今回がサーキットデビュー。「サーキットを走ってみたくて参加しました。改めて走り方を学ぶことができたのが良かった。今回はコースを先導付きで走りましたが、ぜひ次回はフリーで走ってみたいです!」。


8speed.netの告知を見て参加したという鈴木さんもサーキット走行は初めて。「ドライビングポジションの話がとても勉強になりました。初めてのサーキット走行も、講師が先導してくれたのでうまく走れたと思います。実際にサーキットを走ってみて、ゴルフのボディ剛性の高さを実感しましたし、"思い描いたラインが走れる"というゴルフの評判が本当だったとわかりました。またサーキットを走ってみたい」。


ふだんなかなか体験できない状況を、安全に楽しく学ぶことができた「ENJOY&SAFETY DRIVING LESSON」。ぜひ来年も開催してほしい。


(Text & Photos by S.Ubukata)