ロールケージ専門メーカーのオクヤマが、改めてゴルフ2の汎用タワーバーを開発している。10月22日アップの本コラムで紹介したボディ強化パーツのハイライトは、なんといってもフロントのストラットタワーバーだった。が、オグラがそれを自慢げ(?)にアチコチ見せに行ったら、ゴルフ2に強いショップの何軒かから、なるほどと思わせるリクエストが出てきた。で、そのあたりを伝えると、オクヤマは再びヤル気を出してくれて・・・
そのリクエストの主なものは、DOHCエンジン搭載車だけではなく、SOHCエンジン搭載車にも使える汎用性を持たせること、またエンジンルームに横たわるバーを簡単に脱着できるものにすること、さらに左右のステーはストラットタワーのトップを巻く形状にするというものだった。
汎用性を、というリクエストの理由は簡単明瞭。いまも残るゴルフ2は、、圧倒的にSOHCエンジン搭載車が多いからだ。未だに"日常の足"として使っている人は多く、多走行ゆえにボディ剛性を取り戻したいと思っている人が少なくないと思われるからだ。


バーを簡単に取り外せる構造にするというのは、主にサービス性の問題。オクヤマ(Tel045-934-5334)がオグラのワンオフ製作依頼に応じて作ったタワーバーは、剛性の獲得を第一とした一体式。ボルト&ナットで留めるようなジョイント部がなく、応力が逃げることのない構造だ。これによって得られる剛性感はきわめて高く、オグラとしては文句のつけようがなかったのだが、問題は、たとえばヘッドカバーのオイル漏れを修理する場合、いちいちストラットタワーに装着するための左右2本ずつ、合計4組のボルト&ナット外さなければならないことだった。ホイールハウスに手を入れる必要があって、面倒といえば面倒だ。事前の作業時間が増え、効率が悪い。メンテナンスを実施する側としては、ノーグッド。だから、エンジンルーム側でバーが簡単に外せる構造にして欲しいというのがリクエストだった。

ストラットタワーのトップを巻く形状、すなわちドーナッツのような穴あきの板をベースとするステーにというのは、基本的には美観の問題。ゴルフ2はすでにストラットタワーバーを装着している例が多く、そのほとんどはタワーのトップを巻く形状。いま装着しているバーの効果のほどに疑問を感じている人、または長年の装着で錆が出たり塗装がはげたりで見栄えが悪くなって、できれば新しいものに交換したいと思っている人も、従来のタワーバー装着時のボルト穴を隠すデザインを望むという。オクヤマによれば、タワーを巻く形状はタワーの剛性そのものも少なからず向上させる効果もあるとのことで、それも考え合わせると、これは外せない要件?

ここに紹介するタワーバーは、もちろん試作段階のものだ。ドーナッツ形状のベース板を採用しているわけではないが、バーの脱着を容易にするため、ステー側とバー側を左右それぞれ2組のボルト&ナットで組み付けるデザインとしている。一体式のものより剛性獲得面ではやや劣るかもしれないが、サービス性は明らかに高い。

さてさて、オクヤマはどんな量産プロトを出してくるのか。乞うご期待!