いろいろ調べたけれど、意味分からず。だったら、ネーミングしたご当人に聞いてみる以外にない。というわけで、北海道は札幌に飛んだ。ご当人とは、ガレージナッズの東(あずま)大介さんである。いま35歳の、バツイチだ。
■ 「記号みたいなもんですよ。ハハハ」

東さんは、ご存知、イシカワエンジニアリングの出身だ。オグラも、イシカワエンジニアリング時代には雑誌の企画でなんだかんだとお世話になった。そんな時に、東さんの作業を見ていて感じ入っていたのがその丁寧さ。たとえば、アルミホイールの脱着。ボルトを外す時にはインパクトを使っても、組み付ける時には絶対にインパクトを使わない。手でボルトを止まるまで回し込んでいく。そのうえで、十字レンチなどで締め、最後にトルクレンチで規定値に締め込むという具合。クルマに優しい。

「最初に入ったフォルクスワーゲンディーラーの整備部門がそういうことに厳しいところだったんですよ。基本的に、インパクト、エアラチは禁止。イシカワエンジニアリングも、そういうやり方でしたし、これが当たり前というか、そんな感じです」

ガレージナッズは、昨年9月にオープンしている。しかし、およそ8年も務めたイシカワエンジニアリングを辞して、地元の札幌に戻ったのは昨年の1月。自身の工場を持つまでに、半年以上かかっていることになるが、その理由は、なかなか思うような物件が見つからなかったためという。結局、いまの工場の土地のオーナーさんと話し合った上、オーナーさんに工場を新築してもらって、そこに入るという流れになったそうだ。時間がかかったわけだ。東さん、気が長いというか、啼くまで待とうの徳川家康タイプ?

で、いよいよ工場をオープンさせる段になって、考えあぐねたのがその名前だ。

「なんか、 NEUSPEEDみたいに、Nが頭文字になる名前をつけようと思ってて、アレコレ考えたんです。でも、これだと思うヤツがない。しょうがないから、Nの後に、自分の名字を意味するAZと、名前の大介を意味するDSを単純に並べてみたんです。そしたら、NAZDSでしょ。それで、ナッズと読ませてしまえばいいやってね。だから、深い意味なんてありません。記号みたいなもんですよ。ハハハ」
深い意味があると思ったのに、オグラはなんだか肩すかしを食らったような気分。

まぁしかし、北海道、それも道央地方のフォルクスワーゲン/アウディユーザーにとって、ガレージナッズのオープンは朗報だ。東さんのディーラー整備部門での経験、加えてイシカワエンジニアリングで培ったチューニング技術、ノウハウの蓄積は相当なものになるはずで、それはこれまでの北海道ではなかなか得られなかったものに違いないからだ。ワザワザ本州に渡らなくとも、より深くフォルクスワーゲン/アウディ車を楽しむことができるようになったのだ。

ガレージナッズの所在地は、札幌市北区屯田7条5-2。札樽道(北海道横断自動車道)の札幌北インターを降りて、231号線(創世川通り)を北上、太平6-1の信号を左折して東15丁目屯田通りに。やがて右側に、まだ真新しい工場が見えてくるはずだ。

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