■まさに"新世代スモール"
up!は、VWが21世紀のスモールとして研究開発を進めてきたクルマで、これを基本とするバリエーションはすでにコンセプトとして各国のモーターショーで発表されている。VWの力の入れ方は恒常ではなく、これを都市生活者のモビリティの核とする構想を持って、電気自動車含め、様々な開発を進めている。ルポが、単に小さなクルマへのニーズに応えるクルマであったのに対し、up!は近未来モビリティに対する試金石といえる非常に重要なクルマ。そう考えると、ますますその出来映えに興味が湧いてくる。
up!は、VWが21世紀のスモールとして研究開発を進めてきたクルマで、これを基本とするバリエーションはすでにコンセプトとして各国のモーターショーで発表されている。VWの力の入れ方は恒常ではなく、これを都市生活者のモビリティの核とする構想を持って、電気自動車含め、様々な開発を進めている。ルポが、単に小さなクルマへのニーズに応えるクルマであったのに対し、up!は近未来モビリティに対する試金石といえる非常に重要なクルマ。そう考えると、ますますその出来映えに興味が湧いてくる。
全長3.54m、全幅1.64m、全高1.48mというボディは、系譜的には先代モデルといえるルポに比較すると、ほとんど同じサイズだが、ホイールベースは約10cm伸びて2.42m。このショートオーバーハングとロングホイールベースというレイアウトが、よりスペースを生み出していることは確実で、特にリアの空間の獲得に貢献していることも間違いない。
ちなみに、トランク容量は通常の状態で251L、リアシートを折りたためば951Lにも達するという。ポロが280L、950Lであることを考えると善戦していることがよく分かるし、ルポが130L、830Lだったことを考えると、大幅な改善といえる。ルポはリアシートを立てた状態で、トランクにサムソナイトのミドルサイズを置くと、それでもういっぱいだった。いや、ちゃんと入っていなかったかもしれない。
3気筒と聞くと、アイドリング時の振動とかが気になると思われるが、以前、ヨーロッパでポロの3気筒搭載車に試乗した経験からいえば、まったくそうした心配はないといえそう。VW製3気筒は、4気筒と変わらぬ低振動性を獲得していた。
勝手にその乗り味を予想してみると、まず、エンジンは低回転域からトルクがあって、加速性能は十二分。電動パワーステアリング(多分)の軽めの味付けもあって、キビキビとして、軽快感のある乗り味になっているものと思われる。ただし、ルポには残っていたドイツ車らしいドッシリした感覚はおそらく薄まっている。新型ポロがそうであるように、どちらかといえば、ラテン系小型車に通じる乗り味になっているものと思われる。ドイツ車というよりは、"ヨーロッパ・ユニバーサル"に基づく新世代欧州小型車というような雰囲気になるのではないだろうか。ゴルフと同様、クラスの基準(スタンダード)になるはずだ。