A: ロムチューニングに興味をもたれる大半の方が燃費への影響を懸念されてると思いますので、ロムチューニングの概要と実際の使用における燃費への影響はどのようなものかを説明します。
実際の走行における燃費の影響については、乗り方によって様々です。ご質問をいただいた内容にもあるように、ロムチューニングにより高出力化を行い、高回転、高負荷運転を行えば燃料消費は増大します。しかし、運転条件を負荷の低い状況下とした場合においては、純正プログラムと比較して悪化することはまずありません。現在のようなロムチューニングが可能な車種は空燃比のフィードバックが行われていて、ロムチューニングを施した車両であっても純正プログラム同様に適正な空燃比に保たれていますので、燃調が一方的に濃い方向になることはありません。ECU(エンジンコントロールユニット)のエンジンマネージメントプログラムの変更にって燃焼条件の最適化やターボエンジンであれば吸入空気の過給量を増加させることでエンジンをより効率的に運転させることで、高速道路での定速走行や一般道での低負荷運転ではエンジントルクの向上によって燃費が改善される方向に働きます。
フォルクスワーゲン、アウディで一般的に行われているロムチューニングは大きく分けると2つに分かれます。一つは、エンジン関係や制御系のシステムは一切変更せずにECUのマネージメントプログラムのみを変更してエンジンの効率化を図る目的のロムチューニング。もう一つは、エンジン本体やターボタービンの大型化やインジェクターの変更などの仕様変更に対してECUのマネージメントプログラムを変更して最適値に合わせるためのロムチューニングです。双方に共通しているのは、ECUを含む制御システム自体は純正のシステムを利用していることです。言い換えれば制御の基本は純正と同じです。純正の制御システムはエンジンのみならず、イモビライザー、トランスミッション、ブレーキ制御、ステリングなど様々な機能と相互に情報を共有しているためにエンジン制御単独で切り離すことが出来ません。このような理由から純正のECUのマネージメントプログラムを変更して対応することになるのです。
実際の走行における燃費の影響については、乗り方によって様々です。ご質問をいただいた内容にもあるように、ロムチューニングにより高出力化を行い、高回転、高負荷運転を行えば燃料消費は増大します。しかし、運転条件を負荷の低い状況下とした場合においては、純正プログラムと比較して悪化することはまずありません。現在のようなロムチューニングが可能な車種は空燃比のフィードバックが行われていて、ロムチューニングを施した車両であっても純正プログラム同様に適正な空燃比に保たれていますので、燃調が一方的に濃い方向になることはありません。ECU(エンジンコントロールユニット)のエンジンマネージメントプログラムの変更にって燃焼条件の最適化やターボエンジンであれば吸入空気の過給量を増加させることでエンジンをより効率的に運転させることで、高速道路での定速走行や一般道での低負荷運転ではエンジントルクの向上によって燃費が改善される方向に働きます。
先に述べた前者の「エンジン関係や制御系のシステムは一切変更しない」ケースでロムチューニングについて、もう少し詳しくその概念と燃費への影響を説明しますと、ECUは「ブラックボックス」と称されることもあり、その中身や役割はよく理解されていない場合も多く、その可能性に過大な期待を抱いたりすることも少なくありません。エンジン自体の基本的な構造はキャブレターによる燃料と吸入空気の混合気供給、機械式ディストリビューターによる点火及び進角制御を行っていた時代と比べ、バルブタイミング可変機能などのハイテク技術を除くとさほど変わっていません。現在の電子制御化されたエンジンには、キャブレターやディストリビューターといった装置、機械は無くなり代わってフューエルインジェクターによる燃料噴射、電気信号制御のイグニッションコイルによって点火と進角制御をECUが行っています。ひと昔前のチューニングといえば、カムシャフトの変更や圧縮を上げたり、キャブレター自体を高性能タイプに変更することで燃料の供給条件を変更し、点火については、エンジンによって機械的に駆動されるディストリビューター自体を回転させて点火時期を任意に調整したりすることでセッティングを行っていました。高回転、高負荷時の出力増加と引き換えにエンジン始動や低速域での扱い難さ、燃費の悪化などチューニングデメリットは否めない部分がありました。
現代の電子制御化されたエンジンにおいては燃料噴射量や点火時期を調整する役割を果たすための「プログラム」が存在します。このプログラムは、車体やエンジン廻りなど各所に数多く取り付けられた各センサーにより情報を収集し、その情報を基にECUは様々な環境下で安全且つ快適に自動車が運行できるようにエンジン制御を行っています。例えば、エンジン冷間時の始動、標高や気候、気温などで変化する気圧差による吸入空気質量の変化、快適性を確保するためのエアコンや他の電装品を作動させるために起こるアイドリングの低下による負荷補正をドライバーは何も操作することなくECUはすべて自動的に行っているのです。
ECUの「プログラム」に予め設定された制御数値を変更することで、キャブレターの変更やディストリビューターでの点火時期調整と同じ効果を発揮させることが「ロムチューニング」です。つまり、手法は異なってもエンジンのセッティング方法は変わらないということですね。唯一異なるのはエンジンの回転数や負荷状態に応じて細かくピンポイントでセッティングが可能であり、エンジンの始動や低速域で扱い難い、燃費が悪化するなどの以前のようなチューニングデメリットを完全に排除することができます。これは、電子制御化による恩恵です。現代の車にとって「ロムチューニング」は車をより快適で乗りやすく、そして速くする有効な手段なのです。ロムチューニングの中身やその働きが理解できれば、是非臆することなくトライしてみてください。今までお乗りになられていたクルマの違った側面を発見することになると思います。
最後に、ロムチューニングも品質や特性は様々です。各メーカーが一様に皆同じではありませんので、ご自身が良く精査して判断していただくこともトラブル防止の観点から重要です。
最後に、ロムチューニングも品質や特性は様々です。各メーカーが一様に皆同じではありませんので、ご自身が良く精査して判断していただくこともトラブル防止の観点から重要です。