ここ数年、GOLF4、BORA、New Beetle、A3(8L)、TT(8N)のラジエーターファンの作動不良が増えています。画像は最近交換したラジエーターファンです。今回はラジエーターファン作動不良の点検方法と対処方法などを簡単にご説明しますので、是非点検してみて下さい。点検を行う際は絶対にファンを触らずに目視のみで行ってください。
■ ラジエーターファンの作動不良とは・・・
ラジエーターファンは、エンジン冷却水が一定の温度に達すると、エンジン冷却水の温度を安定させるために回転して空気がラジエーターを通過するようにします。対象車種として紹介したフォルクスワーゲン、アウディの各車では、2段式のラジエーターファンを2個装備しています。2段式とは、ファンの回転速度が2段階になっているタイプで、1速(1段目)はゆっくりと回り、2速(2段目)では高速で回転します。1速の回転ではエンジンルームを開けてラジエーターファン自体を見ないと回転してるかどうかエンジンの音で分からないと思いますが、2速が回転してるときは「ブワー」という回転音が出ますので、すぐに分かると思います。
急増しているトラブルは、1速が回らないというケースです。ラジエーターファンは2個装備されているので、片方だけ回転しない、両方回転しないという場合があります。
それでは、正常なラジエーターファンはどのような時に作動するのかを説明します。
➀1速の作動条件
1.エンジン冷却水温度センサーが95℃に達した時。
2.エンジン冷却水の温度にかかわらずA/CをONにした時。
➁2速の作動条件
1.1速の回転ではエンジン冷却水の温度上昇を抑えることができず、エンジン冷却水温度センサーが102℃に達した時。
2.エンジン冷却水の温度にかかわらず、A/CをONにした状態でA/Cフロンガスの高圧側圧力が上昇した時。
以上の2つの条件でラジエーターファンは回転します。点検方法は、①の作動条件を利用して行うことができます。まず、エンジンが温まっていない状態で行ってください。ボンネットを開けて、ラジエーターファンが2個付いていることを確認してください。その後、エンジンをスタートしてA/CをONにします。この時、A/Cコンプレッサーが「カチン」という音をたててA/Cが効いていることを確認してすぐにラジエーターファンの作動を確認してください。ラジエーターファンが二つとも1速で回転していれば正常と判断できます。気温の高い時に点検を行うと、すぐに2速が回る可能性がありますが、これはA/Cフロンガスの圧力が上昇するためで、異常ではありません。A/C ONの状態では、A/Cコンプレッサーが入っている状態では常にラジエーターファンは回転しています。もし、1速が回転せず、停止状態からいきなり2速が回転する場合は、1速の回路が断線していますので、正常な水温制御は行えないということになりますし、もし2速が作動不良を起こせば即オーバーヒートという事態に陥りますので、要注意です。
■ ヒューズボックスも要注意です。
ラジエーターファンの作動確認をクリアして、ホッとしてはいけません。実はもう一つウィークポイントがあります。それは、ラジエーターファンの電源ヒューズです。ラジエーターファンのヒューズはバッテリーの上にあります。カバーをめくるとプラスティック製の小さなボックスがありますので、開いて開いて点検して下さい。
ラジエーターファンのヒューズは一番左の30Aヒューズです。もし、ヒューズが写真のように焦げていたら即対処が必要です。放置すれば間違いなくラジエーターファンに電源が供給されなくなり、オーバーヒートは必至です。理想的な対処はヒューズボックスの交換ですが、間に合わない場合の応急的な対処方法をご案内しますので、できる方のみ参考にして下さい。
■ ラジエーターファンの作動不良とは・・・
ラジエーターファンは、エンジン冷却水が一定の温度に達すると、エンジン冷却水の温度を安定させるために回転して空気がラジエーターを通過するようにします。対象車種として紹介したフォルクスワーゲン、アウディの各車では、2段式のラジエーターファンを2個装備しています。2段式とは、ファンの回転速度が2段階になっているタイプで、1速(1段目)はゆっくりと回り、2速(2段目)では高速で回転します。1速の回転ではエンジンルームを開けてラジエーターファン自体を見ないと回転してるかどうかエンジンの音で分からないと思いますが、2速が回転してるときは「ブワー」という回転音が出ますので、すぐに分かると思います。
急増しているトラブルは、1速が回らないというケースです。ラジエーターファンは2個装備されているので、片方だけ回転しない、両方回転しないという場合があります。
それでは、正常なラジエーターファンはどのような時に作動するのかを説明します。
➀1速の作動条件
1.エンジン冷却水温度センサーが95℃に達した時。
2.エンジン冷却水の温度にかかわらずA/CをONにした時。
➁2速の作動条件
1.1速の回転ではエンジン冷却水の温度上昇を抑えることができず、エンジン冷却水温度センサーが102℃に達した時。
2.エンジン冷却水の温度にかかわらず、A/CをONにした状態でA/Cフロンガスの高圧側圧力が上昇した時。
以上の2つの条件でラジエーターファンは回転します。点検方法は、①の作動条件を利用して行うことができます。まず、エンジンが温まっていない状態で行ってください。ボンネットを開けて、ラジエーターファンが2個付いていることを確認してください。その後、エンジンをスタートしてA/CをONにします。この時、A/Cコンプレッサーが「カチン」という音をたててA/Cが効いていることを確認してすぐにラジエーターファンの作動を確認してください。ラジエーターファンが二つとも1速で回転していれば正常と判断できます。気温の高い時に点検を行うと、すぐに2速が回る可能性がありますが、これはA/Cフロンガスの圧力が上昇するためで、異常ではありません。A/C ONの状態では、A/Cコンプレッサーが入っている状態では常にラジエーターファンは回転しています。もし、1速が回転せず、停止状態からいきなり2速が回転する場合は、1速の回路が断線していますので、正常な水温制御は行えないということになりますし、もし2速が作動不良を起こせば即オーバーヒートという事態に陥りますので、要注意です。
■ ヒューズボックスも要注意です。
まず、焦げたヒューズを抜きます。解けてくっついているので、ペンチなどを使って引き抜きます。大抵は足が残ってしまいますので、同様にペンチで挟み引き抜きます。ヒューズの受け側端子の接触部分が焦げて接点不良を起こしているので、1500~2000番相当の紙やすりを三つか四つに折りにして端子の接触部分を磨きます。接点部分が銅色になれば大丈夫です。内部に落ちたカスや破片は圧縮エアを使って吹き飛ばすなどして出してください。
ヒューズが焦げる原因ですが、原因の一つにヒューズ自体に問題がある可能性があります。これは、確実な見解ではありませんので、仮説として考えていただき、今後の防止対策としてヒューズの交換をお勧めします。焦げたヒューズの足を見ると、ピアスのような穴があることが分かります。焦げていないほうの足も穴は開いていませんが接点部分がへこんでいます。長期間使用することで、ヒューズの端子が変形することで、ヒューズボックス側の端子との間にわずかな隙間が発生し接触不良を起こすことで熱を帯びてこのような事態に発展している可能性があります。
対策として、純正ヒューズではなくオートバックスなどの量販店等で市販されているヒューズを使用していただくことをお勧めします。写真のヒューズ右側が一般的に市販されているヒューズで純正のヒューズと比較して端子の変形が起こり難い特徴があります。ヒューズを変更してヒューズボックス側の端子クリアランスに問題がなければ、発生のリスクはかなり減ります。確認の方法としては、ヒューズを差し込んだ後に一回引き抜きヒューズの端子に引っかいたような痕が残るかどうかを確認してください。しっかりと痕残れば接触は問題ないと思います。
もし、今回の点検方法で該当する異変を発見し、ご自身で的確な判断や対処ができない場合はお早めに正規ディーラーもしくは専門店に足を運んで下さい。夏休みも近くなり修理もすぐにできない可能性があり、折角の夏休み企画が台無しになってしまうかも知れません!
それでは、以上を参考にこの夏のオーバーヒート対策をしっかりと行って、ドライブを楽しんでください。