では、エンジンフラッシングによりどのような状態を改善することができるのでしょうか。それはエンジンの内部を循環している、エンジンオイルに含まれるポリマーなどの成分が燃焼による熱の影響によりスラッジに変質しエンジン内部やオイルラインの壁面、ピストンリングに徐々に堆積してしまいます。スラッジの堆積が進むと潤滑不 良やピストンリングの固着などが起こる可能性があり、故障や圧縮不足を引き起こす可能性もあります。このように堆積したスラッジをエンジンを分解することなく除去するためにエンジンフラッシングを行ないます。
実際にエンジンフラッシングを行なう必要性については、3000~5000km毎に交換されている方にはそれほど必要はないでしょう。エンジンオイルには添加剤の一種として金属清浄剤が含まれていて、清浄作用がありますから良いコンディションで保たれていると思います。
必要な場合の例としては、エンジンオイル交換の周期が1万キロ以上、補充しながら1万キロ以上を無交換で使用してる場合は、状況によりフラッシングを行なった方が良いでしょう。以前もこのコーナーでエンジンオイルの交換時期についてお話させていただきましたが、正規ディーラーが推奨するエンジンオイル交換サイクルは環境問題に配慮した廃油削減が目的です。環境保護を優先する観点から見れば、エンジンの内部が多少汚れても、エンジンオイルが適量入っていれば致命的な故障の可能性は低いという見解だと思います。もし、エンジンオイルの注入口キャップを取り外し、裏側に焦げ茶色い固形の汚れが付いているような場合は、交換作業を行なうメカニックと相談してフラッシングを行なうことで少しでも良い状態にすることができると思います。
エンジンフラッシング剤はスラッジ等の汚れを落とす効果とエンジンオイルを希釈させてしまう働きもあります。内部のオイルは完全に抜くことはできませんので、グレードの低いオイルでも構いませんから一旦適量を補充してアイドリングで10分程度運転させた後に再度エンジンオイルを抜いてください。その後にオイルフィルターは必ず交換し、実際に使用するエンジンオイルを入れていただくことで、残留したフラッシング剤の影響を受けずにエンジンオイルを好ましい状態でご使用できます。
最終的にはオーナー様の判断になりますが、ご自身が所有されている間はエンジンの内部も良いコンディションで乗りたいと思われているのであれば、エンジンフラッシングに依存せずに定期的な交換を行なう方が費用も安く済むかも知れません。
最終的にはオーナー様の判断になりますが、ご自身が所有されている間はエンジンの内部も良いコンディションで乗りたいと思われているのであれば、エンジンフラッシングに依存せずに定期的な交換を行なう方が費用も安く済むかも知れません。