前回の純正リサーキュレーションバルブの働きや故障事例に続き、今回は新旧純正リサーキュレーションバルブの構造や機能を比較してみます。写真左が新型、右が旧型です。


新型と旧型の違いはダイアフラム式が変更されピストン式になったことです。この変更によってダイアフラムが破けるというトラブルは防止できます。分解して構造を比較すると開閉部分の構造が違うことが分かります。
画像は開閉部分の上側(表)です。純正リサーキュレーションバルブは開閉バルブ上部の穴から内部に過給された空気が入り込む構造になっています。過給圧を利用して内圧を高めることで反力を発生させ循環経路を塞ぐように作用する仕組みです。
画像は開閉部分の裏側(内部)です。新型ではピストンの下部にスカートがあり圧力を受けることでピストンを押し上げる構造になっています。旧型のダイアフラム式はダイアフラムが圧力で膨張する力を利用しています。
作動や構造についてはおおよそご理解いただけたと思いますが、新旧で性能差はあるのでしょうか?その点について少し考えてみました。ターボユニットが過給圧を発生させている状態において、新型は循環経路のポート内部にピストンが入り込むように留まることで過給圧の循環を防止しています。旧型はポートを塞ぐことで過給圧の循環を防止します。では、どちらの方が過給圧保持性能が高いのかということが気になります。そこで、エンジンの発生トルクや出力を計測するシャーシダイナモ試験機を利用して比較テストを行いました。

テストはECUチューニングを施している車両で行ないました。純正の状態よりも過給圧が上がっているのでより顕著にバルブによる過給圧保持の性能差が比較できるからです。テスト方法は新旧を差し替える形で連続で行いまいた。テスト結果は旧型の方が新型を装着している時より発生トルク、出力共に上回る結果となりました。

発生トルク、出力に差が生じる理由は、過給圧の保持性能が旧型の方が高いということを意味します。ただし、今回のテストは純正よりも高い過給圧設定で行なったので、特殊な条件化であるということが前提であることをご理解下さい。その上で進化した新型リサーキュレーションバルブは性能面より耐久面を優先したということが窺い知れます。

危惧する点としては、同じ新型リサーキュレーションバルブが幅広いVW、AUDIのTFSIユニットに採用されていることです。当然車種によりエンジン出力も異なり、ターボユニットの発生する過給圧設定も異なります。そうなると、高い出力スペックを誇る一部の車種については本来の性能が発揮できていない車種もあるかも知れませんね。

次回は、純正リサーキュレーションバルブと同じ役割を果たす社外パーツで純正リサーキュレーションバルブのデメリットを克服できのるかということを検証しながら今回の「【特別編】2.0TFSI ユーザーの皆さん要注意です。」を終了したいと思います。
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