連載当初からサーキットやメカニカル的な話が続いていたので、今回は一息入れてこんな派手なカップカーを普通に受け入れてくれている居住環境についての話と、カップカーのこんな使い方?的な話をします。




全国的に減少傾向が続いている子供の出生率、わが家のある地域はそんなに低くないようで朝や夕方にはランドセルを背負った小学生をとても多く見ることができます。とくにわが家のあるここ「三丁目」は15歳以下の子供が本当に多く、わが家から見渡せる範囲だけでも14人、マンションなどに住んでいる方も含めたらもっと多くの子供たちがいます。

また何世代にもわたって住んでいる家庭が多いので親同士も子供の頃からの顔なじみ(わが家の場合はうちの奥さん)。全国的に少子化がすすみ、またご近所同士のお付合いが希薄になってきている昨今、朝は子供の挨拶をする声が、夕方には道端で子供達の遊ぶ声が当たり前のように聞こえてくるこの町は、子供達にとって幸せな環境だと思います。

そんな中でも子供達の年が近く特によく遊ぶご近所さんが4家族あり、その子供たち6人が本当の兄弟のように、休日となると道端で仲良く遊んだり、時にはけんかしたりしています。上は中学一年生の「隊長」から下は幼稚園年長さんまで、みごとに年がばらばら(笑)そんな、ここ「三丁目」の皆さんはとてもイベント好きで行動的。しかも幹事級のお母さんたちばかりなので話も段取りも連絡も早い!季節ごとにみんなの日程を調整してはよく車で出かけます。大人数なので車が2台もしくは3台必要になるのですがその車のあたま数の中に、当たり前のように(笑)うちのカップカーは入っています。

「レースに使っている車なんて乗り心地も悪くて音もうるさくて使い勝手も悪そう・・・しかもあんな派手だし」、と敬遠されそうなものですが誰も特別扱いはせず、逆にこっちが「え!?そんなところもこれで行かされるの??」とビックリするようなところでも躊躇なく出動させられます(^^; でも、そうやって変に色眼鏡で見ることなく受け入れてもらえているのは本当に嬉しいですしありがたいことです。

冬のイベントでは二月と三月に一泊二日のスキーツアーでハンターマウンテンに行ってきました。もちろんわが家のカップカーも、人も荷物も満載で出動です!僕自身スキーは10年ぶり。雪道を車で走ることにいたっては20年ぶり。ゴルフGTIはノーマルでもタイヤサイズと車高の関係からチェーンは着けられないのにカップカーが着けられるはずもなく、だからと言ってわが家にはSタイヤはあってもスタッドレスタイヤはありません。

スキーシーズンも終わりの頃にスタッドレスを買うのもなんだったので車高が低い車でも着けられるチェーンみたいなモノはないか必死で情報を集めました。そうしたらありました。その名も「オートソックス」!その名の通りホイールごとタイヤにすっぽり履かせるもので、しっかりとした地の厚いナイロン製のような生地を重ねて強度を出しているだけなのでとても薄くタイヤハウスとタイヤのクリアランスが狭くてもバッチリ。取付け取外しも簡単。しかも乗心地も快適で驚くほどのグリップ力。たためばものすごくコンパクト。と、魔法のように良い事づくめの「タイヤソックス」にもやはり弱点(もちろん承知の上で購入)が・・・それは耐久性。

致命的といえば致命的なのですが、もともと緊急避難的な使用を目的に開発されたもののようなのです。制限速度は40㌔程度まで、航続距離も30~50㌔(使用状況による)。ですから、高速道路での使用は無理でしょうし長い距離を走り続けたら破れるでしょう。でも今回のハンターマウンテンのように、最後の山道の20㌔くらいが厳しいようなスキー場なら問題なく使えました。ただ来シーズン同じように使うのは厳しそうです。今回、実際に使ったのは二月の時だけで実走行距離は約30㌔でしたが、すでに表面はところどころ擦り切れて下の地が見えてきてしまっていました。とはいえ、めったに雪の降らない地域に住んでいてチェーンやスタッドレスを用意していない方(僕のような)には、車に一つ積んでおくと突然の雪のさいの良い保険になるのではないかと思います。オートバックス等にも置いてあるようですし、金額も1万円~1万5千円くらいで購入できます。

話はそれましたが、今回思い切ってカップカーでスキーに行くことで新たな発見をすることができました。これもご近所さんのおかげです。カップカーはかなり万能な車だとは思っていましたが、まさかスキーも難なくこなしてくれるとは正直おどろきでした。一番心配だったのはフロントスポイラーのクリアランスだったのですが、ノーマルのスポイラーならば心配なさそうです。今回は「オートソックス」のおかげで無事に行ってくることができましたが、来年はスキーに行く機会も増えそうなのでスタッドレスを買うことにしました。次のスキーシーズンはレース用のホイールにスタッドレスです(^^;

そうそう、10年ぶりのスキーは意外にちゃんと滑れました(^^) ただ、「平成のスキー / カービング」と「昭和のスキー」は滑り方が違うらしく見る人が見ると一発で昭和の人間だとバレるようです。でも今さらスタイルは変えられないので「昭和のスキー」で滑りとおしました。うちの子供が初スキーだったり他の子たちも小さいので、はじめはつきっきりでした。が、2回目に行った頃にはある程度滑れるようになり(子供は覚えが早い)スキー検定1級を持っていて、なおかつレースもやっている「隊長」とその妹の「副隊長」が子供達の面倒を見てくれたおかげでこちらもわりと勝手にスキーを楽しむことができました。「隊長」「副隊長」、来年もよろしく♪

「三丁目イベント」を通じて子供達の楽しかった記憶の中にカップカーも残っていってくれれば嬉しいですし、きっと残っていってくれるのだろうと思います。ここ「三丁目」は子供達のみならず、わが家のカップカーにとっても幸せな環境なようです。