前回に引き続き、5/6に向けたメンテナンスのレポートです。
DSGオイル&フィルター交換は、こちらもいつもお世話になっているヤナセVW新宿店さんにお願いしました。まずはサービス担当の角(かく)さんに連絡してGW前に作業スケジュールを組んでいただき、当日は2時間半ほどで作業を完了してもらいました。昨年8月の最終戦でスタート直後に2速から3速にシフトアップせず、第1コーナーまでに2台に抜かれてしまったので今回のオイル交換で少しでもリスクが減ることを期待しているのですが。こればかりは真夏の同じような状況にならないと判断できないので、今は本番でのシフトチェンジがトラブらないように祈るばかりです。
さてさて、この2時間半。実に楽しく有意義に過ごさせていただきました。まずは発表されたばかりのゴルフ6ハイラインの試乗。平日だったためゆっくり時間をとっていただき好きなように走らせてもらいました。詳しい試乗記は編集部で購入したⅥハイラインを貸出してもらったあとにまたレポートしてみたいと思いますが、今回の初試乗で感心したことは2点。まずは駐車場から出るときの段差を降りた時の当りのやわらかさにちょっと驚き、走行中にでくわすマンホールを踏んだ時のショックの角の無さに再度ビックリ。
あまりの当りのやわらかさに、同乗していた営業の方に「空気圧下げてます?」と聞いてしまったほどでした。あとで確認したら空気圧は2.4。タイヤ銘柄はミシュランパイロットプライマシー。サイズは225/45/17。う~ん。この当たりやさしさは何なんだか・・・とは言え、やたらやわらかい訳ではなく路面の細かいうねりはけっこう正確に伝えてくるのでフォルクスワーゲンらしいと言えばフォルクスワーゲンらしいのですが、せっかく角のたった段差のショックはうまくかわしているのだからもう少し減衰を落としても良いような気はしました。ただ、まだ総走行距離が250km程度だったのでもう少し距離がすすむと馴染んでくるのでしょうし、高速道路でも試してみないと本当の正体はわかりませんが。もう一つ驚いたのはアイドリングでの静粛性でした。今回のモデルチェンジでフォルクスワーゲンも特に気を遣ったと言っていましたが、正直あまり期待していませんでした。が、走り出して最初の赤信号でDレンジのまま止まっているときのあまりのエンジン音の静かさに驚愕しました。エアコンを切って耳をすませてもほとんどエンジン音が聞こえてきません。どこか遠くのほうでエンジンが回っているのがかすかにわかる程度。まるで旦那仕様の日本車(良い意味で)。というかこのクラスの日本車でここまで静かなクルマは他に無いかと思います。この価格でここまできたら道具としての完成度はほぼ完璧なんじゃないでしょうか。ただ、GTIもここまで静かになってしったら逆にちょっと寂しい気もします。まあ、マフラーのチューニング等でうまく演出するのだろうとは思いますが。
試乗をすませてVW新宿店に戻ってくると、ちょうどDSGオイルを抜いているところ。今回はメカニックの野島さんがうちのクルマのメンテナンスを担当してくれました。DSGのドレンボルトはこんなところにあったのか、などと思いながら出てくるオイルを見てみると思った以上に焼けたような濃い茶色になっていました。野島さんが新旧のオイルを比較できるようにトレイに取り分けてくださったおかげで、レースをやりながら3年半使ったオイルがどれだけ痛んだのかを良く比較することができました。
実は一年7000km走行後に、一度DSGのオイル交換をしていたのですが、その時はほとんど色の変化は無くあまり神経質にオイル交換をする必要はないのだなと思いましたが、今回はやってよかったようです。ただし、古くなったエンジンオイルのようにどす黒くドロッとしてしまうようなことは無く、写真ではわかりづらいかもしれませんが、色が濃くなってしっていても透明感はまだ十分に残っていました。もともとDSGオイルはそれほど高負荷にさらされるものではないので基本的にはメンテナンスフリーで問題ないとのことですが、サーキットを年に数回は走られるような方や渋滞の中ばかりを走る機会が多い方は車検の時にあわせてDSGのオイル交換をすることをお勧めします。DSGオイルは通常のミッションオイルと比べると比較にならないほどサラサラしていて、まるでATフルードのようです。社外品でもDSGオイルと銘打っているものが出ていますが、やはり特殊なトランスミッションであることを考えると研究されつくしている純正オイルが今はまだ一番安定しているような気はします。
新しいDSGオイルを入れ終える頃に角さんから「クラッチのクリアランス調整とシンクロやピストンの作動チェックをしておきましょうか?」と言われ、はじめは「どうやってやるの・・」とキョトンとしてしまいましたが、よく話を聞いてビックリ!なんとDSGは診断機を使ってクラッチのクリアランスを適正な間隔に調整(長いこと使えば当然クラッチ板は減る)してくれたりシンクロが正しい状態にあるか、ピストンが正常に作動しているかなどを診断機を使ってDSGに自己診断させ適正な状態にしてくれると言うのです。今の技術の進歩は本当にスゴイ!迷わずお願いしました。
興味があったので実際に診断機で調整しているところを見学させてもらいました。野島さんが診断機でいろいろな指示を出しつつ一つ一つ確認作業を続けていき、今なにを診断しているのか何を調整しているのかを丁寧に教えてくれました。クラッチのクリアランスの調整の時にはDSGが微妙に半クラッチを何度か繰り返し一番良いところを探っている様子がよくわかりました。ディーラーさんはどうも敷居が高くてメカニカル的な話をしづらいと思っている方も多いと思いますが、そんなことはありません。わからないことは何でも遠慮なく聞いてみるべきです。想像していている以上に丁寧に対応してくれます。
僕自身、レースをやっているにもかかわらずいまだにVW新宿の角さんにメカニカル的な質問をさせてもらっています。今回もDSGの奥深さについて角さんや野島さんにいろいろなことを教えていただきました。本当に感謝です。帰り道にマニュアル操作を試してみました。つながりの良さは元から問題なくスムーズだったので特に変わることもありませんが、パドルシフトで操作した時のレスポンスが良くなっているようなのです。以前はパドルを操作してから一呼吸置いてシフトチェンジしていたものがほとんどタイムラグなく(といっても微妙な違いですが)シフトチェンジしてくれます。理由はよくわかりませんが、クラッチのクリアランスが適正になったこともあるのかもしれません。今後が楽しみです!
参考までに今回のDSGオイル交換にかかった費用は以下の通りです。
◆ DSGオイル及びフィルター交換/基本調整実施: 9450円
◆ フィルターエレメント: 5040円
◆ シーリングワッシャー: 147円
◆ シール: 598円
◆ ギアボックスオイル: 3675円/1L, 25725円/7L
合計 40960円
最後にリアヘッドレスト交換タイプ車載カメラ用ステーを前野精工の上田さんにワンオフ作成していただいた経緯についてお話しましょう。ゴルカップ時代から車載カメラを積みながらサーキット走行を繰り返してきましたが、今まで使っていたビデオカメラステーはロールゲージを挟み込んで固定する一般的なタイプのものを使っていました。ゴルフⅡのロールゲージではそのままでも良いアングルで撮影できましたが、現在のカップカーのロールゲージではそのステーからさらにアームを伸ばさないとアングル的に厳しくなってしまいました。ゴルフⅡの時でさえ単にビデオカメラステーでカメラを取り付けるだけでは縁石を乗り上げた際のショックで画像が不安定になってしまうので何箇所かからタイラップでカメラ自体も固定していました。
カップカーではそのビデオカメラステーからさらに延長アームを使うために不安定さが一段とひどくなり、すごい数のタイラップを使ってビデオカメラを固定しなければならず、一度固定してしまったが最後バッテリー交換もできません。そこで上田さんに相談して今回の車載カメラ用ステーを開発してもらいました。リアヘッドレストをはずしてヘッドレストのシャフトの穴を利用し、そのまま台座を差し込んで固定するという優れもの!2本のシャフトで支えているので安定感は抜群。しかもシャフトにロック用の溝も刻んであるので抜けませんし高さも調整できます。何より取外しが簡単なのが時間のないサーキットでは本当に助かるはず。いろいろ調べてみるとヘッドレストのシャフトを利用したビデオカメラステーも他にありましたが、ヘッドレストそのものを交換してしまうのは他にはないと思います。今度のゴルフカップ走行会でテストしてみますがきっと安定感は抜群でしょう(^^)この台座はアウディにも問題なく使えますし、希望があれば他にも作成可能とのことですので、こういうものが欲しかったという方はぜひ問い合わせをしてみてください。ありそうでなかったこのタイプの台座。テストの結果は他のパーツと合わせてまた後日レポートしてみたいと思います!
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