予選結果は浜崎さんが2分8秒9でポールポジション。2番手には勅使河原選手。3番手には塙選手が続きました。
予選終了後、しばらくは立ち直れないままでいました。関係者の方に予選の結果を話すと、失望の色がみえます。憂鬱な気持ちのままでも良くないので、気晴らしに家族やご近所さんとランチを食べました。レース仲間の友人たちも、「これ以上落ちることはないのだから思い切りいけよ!決勝が楽しみだよ!」と励ましてくれました。多くの仲間に励まされ落ち込んでいる場合ではないと、気持ちを切り替えることができました。本当にありがたいことです。

レースでのシミュレーションを組み立てました。毎年シリーズランキングを争ってきた#67の萩原さん(予選4位)の後ろまではなんとしてもいきたい。岡山でかなりのポイント差をつけられてしまっていたので、致命的な差にまでは広げられたくはありませんでした。そのためには三台も抜かなくてはなりません。ゴルフのワンメイクレースで三台を抜くことは運も味方につけなくてはなりませんが、やらなくてはなりません。

決勝直前のブリーフィングで様々な注意事項を受けたあと、個人的にオフィシャルの方にスタートラインの確認に行きました。他のサーキットと違い富士スピードウェイは、長いホームストレートにスタートラインとゴールラインが別々にあります。スタート直後の追い越しは、二本のラインのうち、前方にあるスタートラインを越えてからだということを再確認しました。そしていよいよ決勝が始まりました。
イン側のグリッドにならぶと左前には#00の大田中選手。すぐ前には#81の鈴木先生。さらに左前には#25の谷選手が見えます。この三台を抜くことだけをイメージし集中しました。いや、集中しすぎていたのかもしれません。ランプが赤から緑に変り、マーシャルカーを先導にゆっくりとオープニングラップに入って行きます。

ダンロップコーナーからの上りで徐々に隊列が整えられていき、最終コーナーを抜け緊張はピークに。長いストレートの1/3が過ぎたあたりで浜崎さんは猛然とスタートを切りました。それを見て僕もアクセルを全開に!ところがその時点ですでに#00の大田中選手を抜きそうになってしまい慌ててアクセルを緩めました。そのまま全開にできずに#81の鈴木先生に微妙に離されていくのをジリジリとした気持ちでラインが過ぎるのを待ちました。#00との位置関係に集中していた時に視線の端に白いラインが過ぎたのを目にし、全開で1コーナーに飛び込みシミュレーションどおりにうまく一台をパスすることができました。

#81の鈴木先生のアウト側に並んだまま1コーナーを立ち上がり、そのまま2コーナーではイン側になった僕はさらに鈴木先生の前に出ることができました。予想以上に良いスタートを切れたことに自分自身でも少し驚いていましたが、100Rではさらに思いもよらないことがおこりました。なんと#67の萩原さんがテールを滑らし姿勢を乱してコース外に出て行ってしまうのが見えました。なんと一周目で三台を抜くことができました。

萩原さんのコースアウトは全くの予想外でしたが、このままいけばシリーズポイントの差が縮まると、さらにアドレナリンが噴出してきたのでした。

(続く)