こうした「気持ちよさ」や「運転の楽しさ」をモノにしつつ、素晴らしい燃費性能を達成しているのも嬉しい。1.2LTSIモデルの燃費は100㎞あたり5.5L(EUモード)。日本流にいえば18.2㎞/Lとなり、1.4LNAの17㎞/Lを上回る。日本での実用燃費は15㎞/Lオーバーを期待できるだろう。
フットワークの出来映えも素晴らしい。というか、この部分がもっとも感心したところだ。ドイツ車らしいカッチリした乗り心地や、クラストップレベルの高速直進安定性、ステアリングのスムースさ、コーナーでの素直なライントレース性などなど、その走行フィールは文句なし。静粛性にも高い得点が付く。とくに、速度をあげたときや、ロードノイズが高まりやすいざらついた路面での静粛性はとても優秀だ。良路ではポロに匹敵する乗り心地をもつクルマもあるが、路面が荒れてくると違いは加速度的に大きくなる。路面の状況を問わず、常に快適な乗り心地を提供してくれるのは、ボディやサスペンションに「余裕」があるからに他ならない。
ハードウェア上のアドバンテージをさらに拡大しつつ、VWらしいスタイリッシュさを身につけてきた新型ポロ。総合的な商品力は確実に高まったと判断していいだろう。このクルマなら東京から大阪まで一気に走っていけそうだ・・・・そんな自信を与えてくれるコンパクトカーは、世界広しといえどもそう多くはない。日本で発売は年内の予定。国産コンパクトとは一線を画す質感や走りが欲しいなら、最有力候補として真剣に検討すべきモデルである。
(Text: G.OKAZAKI , Photo: Volkswagen Group Japan)