今回、新型ゴルフ TSI トレンドラインに乗って最初に感じたのはノーズの軽さだ。1.4 TSIシングルチャージャーと比較して24.5kgの軽量化は歴然としていて、コーナーでのハンドリングもゴルフ5 トレンドラインと比較して軽快に感じた。
次に走りに関して。1.4 TSIシングルチャージャーによって、崩壊したはずだった私の中のエンジン・ヒエラルキーは、今回の試乗で本当に崩れ去った。実は新型トレンドラインに乗る前、1.2リッターの排気量に物足りなさを感じるのでは?と思っていた。しかし、1度乗ってしまえば、そんな不安を吹き飛ばす実力を1.2 TSIは持っていた。スタート時にモタツクこともなく、高速の合流ポイントでもスムーズに合流できる。これも1,550回転から発生する最大トルクの恩恵なのだろう。街中のストップ・アンド・ゴーの多い場面でもストレスなくドライブすることができる。「これで十分でしょう」と納得してしまった。1.2リッターの排気量を忘れさせるパフォーマンスを体感し、TSIエンジンのすごさを再認識した。
そして7速DSGがさらに良くなっていたこともお伝えしたい。新型トレンドラインに乗っている時はそんなに意識をしなかったが、試乗会からゴルフ5 トレンドラインで帰る時に、普段は感じることの無いDSGのぎこちなさを感じた。それだけ新型トレンドラインに搭載される7速DSGは洗練されていた。スムーズで、さりげないシフトチェンジ、発進時のフィーリングなど、あきらかにゴルフ5 トレンドラインとは違った。
あえて気になる点をあげるとすれば、革巻きでなく樹脂製のステアリング、シフトノブだろうか。安全装備が上級グレードと同じことや、オートライトやレインセンサーが追加になったことを考えれば充実した装備内容とは思う。新車にプロフェッショナルケアが付帯するのも先代モデルオーナーとしては羨ましい。コンフォートラインとの差別が難しくなるのもわからないでも無い。しかし、一番手に触れることが多い部分なので、できれば心地よいモノにしてほしかった。車両価格が250万を超えるクルマなので、その辺はそろそろ標準にしても良いのでは?
「ベースグレードだから...」とか「1.2リッターの排気量じゃ...」なんてネガティブなことを思う必要はないだろう。
VGJの山崎さんも話していたが、現行ラインナップの中で、トレンドラインが一番ゴルフらしいと感じた。
私のBest of Golf6はトレンドラインだ。(GTIも良いが 笑)