そこで見えてきたものとは...
ところで、写真はRevというアプリケーションにより、iPhoneにブースト圧を表示させたときの画面。この1.2TSIエンジンの特徴として、電子制御ウェイストゲートの採用が挙げられるが、1.4TSIシングルチャージャーに比べると、明らかにブースト圧が素早く上がるのが確認できた。しかも、軽く踏んだだけでもブースト圧は上がっているのだ。左は全開の場合で最大過給圧のプラス0.9バール(絶対過給圧1.9バール)に達しているところ。また、右はアクセルペダルを3〜4割踏み込んだときのものだ。以前、同じ1.2TSIを積むゴルフTSIトレンドラインを試乗したときに、1.4TSIシングルチャージャーよりも活発に思えたのは、この素早いターボのレスポンスのおかげに違いない。
注目の燃費だが、ストップ&ゴーが続く都内でエアコンONの状態でも11〜12km/Lを維持し、高速をおとなしく走れば軽く20km/Lを超える実力だ。こうなると、性能で自然吸気1.4Lに勝ち目はない。
というわけで、1.2TSIを積むことで、さらに魅力がアップしたポロなのだが、エンジン以外の部分ではいまだに不満も残っている。一番に挙げられるのがその乗り味で、一般道を走るような場面ではやや落ち着きが足りず、かつてポロが誇っていた重厚さが薄れてしまった。また、路面によってはショックを拾うこともあり、とくにそれは後席で目立つ。高速では、サイズを考えれば落ち着いているといえるのだが、ワンランク上のフラットさがほしいところだ。
電動"油圧"パワステのフィールが乏しいのも残念。ゴルフ同様、電動パワステを搭載してほしい。
まあ、そこまで高いレベルの走りを望む人には、ゴルフTSIトレンドラインをオススメするが、一方、このコンパクトさや活発さに大きな魅力を感じる人なら、ポロを選んだところで後悔はしないだろう。
ちなみに、僕がポロを買うとしたら、ほぼ同じ走りで29万円安いコンフォートラインを迷わず選ぶ。レザーステアリングホイールが付かないのはガマンできないので、これだけパーツをオーダー。それでも十分お釣りがくるのだから!
(Text by S.Ubukata)