SUVテイスト溢れるクロスオーバーモデル「パサート オールトラック」が日本でも発売された。
そんなパサート オールトラックを借りて、ドライブに出かけることにした。フォルクスワーゲン グループ ジャパンがあるオフィスビルからスタートすると、いつもの1.4 TSIよりも明らかに力強く、しかもスムーズな発進で違いを見せつけるパサート オールトラック。やはり、2.0 TSIと湿式6速DSG、そして、4MOTIONの組み合わせは伊達じゃない。もちろん、標準のパサートヴァリアントは十分な動力性能を持っているが、パサート オールトラックにはクルマ好きをわくわくさせるプラスアルファの魅力がある。
走りだしてから感じる余裕もパサート オールトラックならではのものだ。スピードがある程度のったところで、ちょっと加速しようと軽くアクセルを踏み込むと、すぅーっとスピードを上げていくのだ。プラス600ccの余裕がここにある。
高速道路の合流や追い越しのシーンはまさに2.0 TSIの面目躍如。アクセルペダルを深く踏み込めば、ストレスなくレッドゾーンまで吹け上がり、瞬時に次のギアへとシフトアップしていく。車両重量は1670kgと、パサートヴァリアントより200kgも重いが、それを差し引いても余りあるパワーを手に入れたということである。
ちなみに、JC08モード燃費は11.6km/L。都心の一般道では10km/Lを割るが、高速巡航ならこの数字を超えるのは簡単。燃料タンクは68Lだから、高速なら無給油で800km走るのも難しくはない。
一方、走りのほうも悪くない。最低地上高が30mm上がり、その影響がどう出るか心配だったが、SUV的なボディの揺れはよく抑えこまれていて、高速道路でもフラット感はまずまず。
ということで、クロスオーバー化によるデメリットは最小限に抑えられる一方、クルマとしての楽しさを一段とアップしたパサートオールトラック。優等生的なパサートヴァリントもいいが、ワイルドなパサートオール トラックはさらに魅力的である。
これは間違いなく人気モデルになるだろなぁ......。
(Text & Photos by S.Ubukata)