2016年11月に仕様が変更になった「パサートTSIハイライン」を試乗。"テクノロジーパッケージ"で走りも変わる!?
すでに
ハイライトは、従来の「TSIコンフォートライン」が「TSIエレガンスライン」に変わり、装備を充実したことだが、上級グレードの「TSIハイライン」にもさまざまな変更が施されている。

たとえば、従来オプションだったLEDヘッドライトが標準装着に。TSIエレガンスラインでもLEDヘッドライトが標準となったが、TSIハイラインではダイナミックコーナリング機能が搭載されるため、TSIエレガンスラインとはヘッドライトのデザインが微妙に違っている。


また、装着される"モビリティタイヤ"が215/55R17から235/45R18に1インチアップ。ちなみに、試乗車にはコンチネンタルタイヤのContiSportContact 5 ContiSealが標準装着されていた。

コンチシールは、タイヤトレッド内側インナーライナー上に粘着性の高いシール層を配するテクノロジーで、直径5mm以下の釘やネジがタイヤのトレッド部に刺さり、内部に達したとしても、シーラント剤が釘などを包むように粘着して空気の漏れを防ぐ。また、釘などが抜け落ちてもパンク穴をふさいでくれる。


このため、トレッド部のタイヤ損傷が生じた場合でも、即座にパンクする恐れが少なく、路上でのタイヤ交換・修理が不要になる。また、スペアタイヤが不要になるため、大容量のラゲッジスペースに加えて、床下に大きな収納スペースが生まれるのがうれしいところだ。


室内では、標準装着の純正ナビゲーションシステム「Discover Pro」にテレマティックス機能の"
すでに「パサートGTE」や「パサートR-Line」に用意されているフルデジタル液晶メーターがこのTSIハイラインでも選べるようになったことを歓迎する人は少なくないだろう。

1.4 TSIエンジンと7速DSGが組み合わされるパワートレインは従来どおりで、ミッドサイズセダンのパサートをストレスなく走らせるには十分な性能を備えている。

低回転域でもトルク豊かな1.4 TSIだけに通常の走行は2000rpm以下でほぼ事足りてしまい、動きもスムーズ。いざとなれば、6000rpm付近までストレスなく吹け上がる1.4 TSIが素早い加速も見せてくれる。


平坦な道を巡航する場面では、4気筒のうち2気筒を休止するACT(アクティブシリンダーマネージメント)が働きガソリンの消費をセーブ。この日、首都高速を流れに任せて走ったときに平均燃費24km/Lを示したのには驚いた。

乗り心地は、18インチタイヤを装着することから、路面によっては多少バタつくことがあるもののおおむね快適で、高速走行時のフラット感もまずまず。欲をいえば、可変ダンパーの"DCC"が選べるとうれしい。

一方、別の機会に新旧のTSIハイラインを乗り比べたのだが、新しいTSIハイラインはタイヤが215/55R17から235/45R18になるとともに、従来のコンフォート系からスポーツ系に変わったことで、ステアリング操作に対してより忠実な動きを見せ、これまで以上に走りがスポーティになった。さらに、オプションの"テクノロジーパッケージ"に含まれるXDSが、コーナリング時のアンダーステアを弱めているおかげで、思いどおりのラインをトレースできるのも見逃せない。


プリクラッシュブレーキをはじめ、渋滞時追従支援システム"Traffic Assist"がついたアダプティブクルーズコントロール、レーンキープアシストシステム"Lane Assist"、レーンキープアシストシステム"Lane Assist"、リヤトラフィックアラートといった安全機能はすべて標準。個人的にはシートベンチレーション機能とマッサージ機能がついたナパレザーシートもお気に入り。

この内容で443万9000円のプライスは、かなり魅力的だ。


(Text by S.Ubukata / Photos by H.Uemura)