待望の「Dynaudio」である。ドイツ本国ではゴルフ以上のモデルにオプション設定されているプレミアムサウンドシステムが、「ティグアン」「ゴルフ」「ゴルフ ヴァリアント」の限定車「ティグアン ディナウディオ エディション」で楽しめるのだ。
日本のフォルクスワーゲンにDynaudioが搭載されるのは、2008年に発売された「パサートCC V6 4MOTION」が最初。私自身、このクルマでDynaudioを知ったのだが、オーディオファンにとっては、知らない人は"もぐり"というくらい有名なハイエンドオーディオブランドである。
2009年発売の限定車「パサート ヴァリアント V6 4MOTION インディビジュアル」にも搭載されたが、その後あらたに装着されることはなかった。
Dynaudioは1977年にデンマークで創業したハイエンドスピーカーメーカー。以来、自社内で開発および生産を行ってきた。主力はホーム用スピーカー。また、音楽スタジオや放送局などのモニター用プロフェッショナルオーディオを手がけている。世界の音楽スタジオのうち、実にその3分の1がDynaudioのスピーカーを採用しているというから、いかにその実力が高いかをうかがい知ることができる。
ティグアンTSIハイラインをベースとするティグアン ディナウディオ エディションには、総出力400Wの16チャンネルアンプと10スピーカーが装着されている。
さらに、ダッシュボード上中央の小物入れに代わり、センタースピーカーが搭載される。
Discover Proにも手が加えられ、「Dynaudioサウンドキャラクター」「Dynaudioサウンドフォーカス」「Dolby Pro Logic II」のメニューが追加となった。
Dynaudioサウンドキャラクターはイコライザーで、オリジナル、ソフト、ダイナミック、スピーチの4つがプリセットされ、さらに好みによりサブウーファー、バス、ミドル、トレブルの調整が可能だ。
Dynaudioサウンドフォーカスを使えば、ワンタッチでフォーカスしたいシートを設定できる。これとは別に、マニュアルでバランス/フェーダーの調整も可能だ。
この日は標準オーディオを搭載するティグアンとの比較を行った。標準のオーディオでも十分満足できる仕上がりだが、Dynaudioのプレミアムサウンドシステムで同じ音楽を再生すると違いは明らか。
短い時間の試聴でもDynaudioプレミアムサウンドシステムの魅力は十分に理解できた。個人的には、限定車ではなく、メーカーオプションとしてぜひとも設定してほしいところだ
Dynaudioは1977年にデンマークで創業したハイエンドスピーカーメーカー。以来、自社内で開発および生産を行ってきた。主力はホーム用スピーカー。また、音楽スタジオや放送局などのモニター用プロフェッショナルオーディオを手がけている。世界の音楽スタジオのうち、実にその3分の1がDynaudioのスピーカーを採用しているというから、いかにその実力が高いかをうかがい知ることができる。
それもそのはず、Dynaudioが目指すのは「authenticity」、つまり、再生音が原音に忠実であること。まさにプロが求めているスピーカーなのである。
そして、近年、売り上げに占める割合が増えているのがカーオーディオだ。Dynaudioは2001年頃からフォルクスワーゲンと共同でカーオーディオ向けのスピーカーやアンプの開発を始め、前述のパサートCCなどにスピーカーを提供している。
現在、フォルクスワーゲンのみにスピーカーを供給しているが、その数は年間86万5000個以上に及ぶという。
ティグアンTSIハイラインをベースとするティグアン ディナウディオ エディションには、総出力400Wの16チャンネルアンプと10スピーカーが装着されている。
上の写真はフロントドアのスピーカーで、DYNAUDIOのバッジが控えめに装着されている。通常、各ドアに2個ずつスピーカーが配置されるが、ディナウディオ エディションではこの8個に加えて、ラゲッジスペース下のスペアタイヤ内にサブウーファーが収められている。
さらに、ダッシュボード上中央の小物入れに代わり、センタースピーカーが搭載される。
Discover Proにも手が加えられ、「Dynaudioサウンドキャラクター」「Dynaudioサウンドフォーカス」「Dolby Pro Logic II」のメニューが追加となった。
Dynaudioサウンドキャラクターはイコライザーで、オリジナル、ソフト、ダイナミック、スピーチの4つがプリセットされ、さらに好みによりサブウーファー、バス、ミドル、トレブルの調整が可能だ。
Dynaudioサウンドフォーカスを使えば、ワンタッチでフォーカスしたいシートを設定できる。これとは別に、マニュアルでバランス/フェーダーの調整も可能だ。
この日は標準オーディオを搭載するティグアンとの比較を行った。標準のオーディオでも十分満足できる仕上がりだが、Dynaudioのプレミアムサウンドシステムで同じ音楽を再生すると違いは明らか。
たとえば、ひとつひとつの音がクリアで、全体としても厚みを増した印象。ボリュームを上げていっても変にこもったり、ある部分だけが強調されたりすることがないので、大きな音で聞くのがまったく苦にならない。
いろいろな席で試したが、運転席だけでなく、後席でも気持ちの良いサウンドが楽しめるのもうれしい点。「車両の開発段階からフォルクスワーゲンと一緒に作業をしています。単にスピーカーユニットを提供しているだけのメーカーではありません」とはディナウディオ ジャパン代表取締役の前田正人さん(写真右)の言葉だ。
ちなみに前田さんが手にしているのは、この春発売を予定しているワイヤレススピーカーの「Music 1」だ。
音楽のジャンルを問わないというのも、「authenticity」を目指すDynaudioならでは。クラシックからJ-POP、演歌(!?)まで、さまざまな音楽を楽しむことができた。
短い時間の試聴でもDynaudioプレミアムサウンドシステムの魅力は十分に理解できた。個人的には、限定車ではなく、メーカーオプションとしてぜひとも設定してほしいところだ
フォルクスワーゲン グループ ジャパンでティグアンの商品企画を担当している水野真菜美さん(写真左)によれば、「今回は限定車としてDynaudioプレミアムサウンドシステム装着車を導入しましたが、評判が良ければメーカーオプションとして設定することも考えています」というから、今後の展開が楽しみである。
(Text by S.Ubukata)
■関連リンク
・「DYNAUDIO Edition」スペシャルページ(フォルクスワーゲン公式サイト内)
・Dynaudio(日本語サイト)