2026年3月30日、Porsche は「Porsche 935」のホモロゲーション取得から50周年を記念し、その進化を辿る動画シリーズ「Porsche Heritage Moments」を公開した。シリーズはYouTubeで全5話構成として配信され、ルマン24時間レース優勝経験を持つティモ・ベルンハルトと、当時のレースエンジニアであるノルベルト・ジンガーが、開発の舞台裏と各モデルの特徴を解説する内容となっている。

今回の企画は、2026年に迎える「ポルシェ・モータースポーツ75周年」の一環として実施されたもの。1976年に登場した935は、世界マニュファクチャラー選手権や各国シリーズで活躍し、ポルシェのレーシングカー史において重要な役割を担ったモデルとして知られる。

5台の「Porsche 935」が一堂に

動画シリーズでは、以下の5台が取り上げられている。

・1976年ホモロゲーション仕様
・935/77
・935「ベイビー」
・935/78「モビー・ディック」
・1977年テストカー

これらの車両は、年ごとに急速な進化を遂げた935の開発思想を示すものとして紹介される。とくにレギュレーションの解釈を突き詰めた技術的挑戦や、短期間での改良、革新的な空力設計などが共通テーマとして語られている。

1976年型「Porsche 935」

ベースとなった1976年型は、「Porsche 911」を基にグループ5規定向けに開発されたレーシングカーで、拡幅フェンダーや独自のボディ形状など、レギュレーションの余地を最大限に活用した設計が特徴だった。FIAの車検では各ボディパーツの正当性を個別に説明する必要があり、当時の技術的挑戦の大きさが語られている。

935/77はツインターボ化

1977年仕様の935/77では、最大の変更点としてツインターボエンジンを採用。従来の大型シングルターボに比べレスポンスを向上させ、ターボラグを低減。ドライバビリティの向上に大きく貢献したという。また、ボディ形状や空力処理も改良され、耐久レースでの性能向上が図られた。

軽量化を追求した「935 Baby」

スプリントレース向けに開発された「935 Baby」は、徹底した軽量化が特徴。不要な装備を排除し、アルミフレーム構造を採用するなどして車体重量を大幅に削減した。1.4Lエンジンを搭載し、2Lクラスに参戦するコンパクトな仕様とされた。高回転域で本領を発揮する性格の強いマシンだったとされる。

845hpを誇った「Moby Dick」

1978年に登場した935/78「Moby Dick」は、規定の限界に挑んだ空力設計が特徴。水冷4バルブヘッドを採用した3.2L水平対向6気筒ツインターボを搭載し、最大845hpを発生した。ドラッグ低減を徹底し、ユノディエールストレートでは366km/hに到達したとされる。わずか2台のみ製作されたが、935プロジェクトの頂点と位置付けられている。

開発を支えた1977年テストカー

最終話では、1977年のテストカーにも焦点を当てる。この車両はレース成績よりも開発用途を目的としたもので、トラック競技の速度記録挑戦ではペースカーとして使用され、240km/h以上を目指すプロジェクトにも関与した。

Porscheは、こうした935の進化を振り返り、「速さだけでなく、信頼性や扱いやすさ、耐久性を備えてこそ顧客に供給できるレーシングカーとなる」という思想が当時から現在まで受け継がれているとしている。

シリーズ「Porsche Heritage Moments」は、ポルシェのYouTubeチャンネルで公開中だ。

Porsche Raceborn Moments | Episode 1 - The Porsche 935 (1976)

youtu.be

(Text by 8speed.net Editorial Team / Photos by Porsche AG)
※本記事はプレスリリースをもとに、一部AIツールを活用して作成。編集部が専門知識をもとに加筆・修正を行い、最終的に内容を確認したうえで掲載しています。